《bS 荒川岳山行記》 2004.7.27
 
 海の日の連休。2連休となり、1泊で荒川岳へ登る。例年ならこの時期荒川前岳のお花畑は最盛期である。それを期待して出かける。
 今回メンバーに我が山岳会の若手男性が加わる。ワンゲル出身の彼だが、心配なのは泊まりの山は相当期間行っていないらしい。まあ若さで何とかなるだろう。
 湯折れのゲート前けっこう車がある。小雨ふる中カッパに地下足袋で出発。連日の猛暑だったが、小渋川の徒渉の間は暑いくらいがいい。やはり川は冷たい。20秒も入っていれば震えてくる。が、いつになく少ない水量で徒渉は楽だ。
 広河原小屋から長く急な尾根の登りとなる。特に最初が急登で道も悪い。あっという間に汗が噴き出す。1時間に1本のペースで休憩しながら行くが、だんだん1時間もたなくなる。寝不足からか、猛烈に眠たい。歩きながら寝てしまい、ふらふらっとして目が覚めるまだ、日差しが弱いのが何よりの救いだ。昨日のようにまともに照らされたらたまらない。舟窪手前若い彼が足がつると言い出す。様子を見ながらマッサージをしたりして、ゆっくり行く。小屋着はだいぶ遅くなりそうだ。大聖寺平手前のガレ場をすぎればもう大変なところはない。しかし稜線へ出たとたんすごい強風が吹き付ける。メンバーの一人は一瞬体が浮いたと言っていた。1年振りの荒川小屋。いつもの顔ぶれが暖かく迎えてくれる。自炊小屋で宴会。小屋からのビールの差し入れもすぐに終わる。夕食はいつもの小屋特製カレー。ほんとうにおいしい。17年間小屋番をつとめられた梶さんは今シーズンが最後のお勤めだ。いろいろと話が弾む。自分が足繁く荒川・赤石へ通うのも、山の良さはもちろん、この荒川小屋の梶さんの人柄に寄るところが大きい。長い間お疲れさまでした。
 翌朝3時起床。相当疲れていたのか、1回も起きることなく熟睡できた。4時小屋発。富士山は見えているものの、稜線付近は厚い雲の中だ。前岳頂上は強い風で展望ももちろんなし。このまま小屋へ下ろうかとも思ったが、時間もあるし、中岳の避難小屋で天気が回復するのを待つ事にする。小屋でコーヒーを注文して、小1時間休憩する。が、伊那谷の方は晴れ間が見えてきたが、静岡県川は雲が取れない。あきらめて小屋を出発。しかし前岳との分岐へ来たとき、赤石岳へかかっていた雲が流れ始めた。これは間違いなく晴れてくる。急いでお花畑付近まで下る。
急速に天候が回復してきた。赤石岳、富士山、花と撮影が大忙しだ。一旦陽が陰ってしまったが、しばらくすると本当に夏の強烈な日差しが戻ってきた。花はやはり今年は少ないようだが、小屋までしっかり時間をかけて撮影しながら下る。小屋では他のメンバーが待ちくたびれていた。梶さんにお礼を言い小屋を後にする。できればもう一泊してゆっくり撮影したい。昨日苦労して登った尾根もあっという間に下り、広河原からまた小渋川の徒渉へ。今日の
徒渉は気持ちいい。湯折れへ着いたのはもう6時だった。赤石荘の風呂で汗を流して帰途につく。  
(2004/7/18〜19)

                                                           

 ひとこと