Tarot FILES #23


NOさん(仮名)からこんな依頼を受けた。

 彼氏に別れを切り出されてしまいました。原因は私にあるらしいんです。私がいろいろと彼の嫌がるような事をしたのが許せないらしくて…。でも彼は何も言ってくれなかったんです。どう言う所がイヤだとか。私は別れたくないし、どんなことがあっても彼について行きたいと思っています。

 私達が元通りに戻ることは可能ですか? もし戻れるとしたらいつ頃でしょうか。気を付けるべき点なども含めて、アドバイスをお願いします。

2人が元に戻ることは可能か。

すでに彼に別れを宣告されてしまったようですが、それでもNOさんは

「どんなことがあっても彼についていきたい」

と思い続ける事ができるのでしょうか。

カードの示すままの未来をお伝えすることにいたしましょう。


ケルト十字法で10枚のカードをめくります。

まずは、現状を示すカード。

左の十字形、中央のカードをクリックしてください。

棒の7

押し迫った状態。

今まではだましだまし来れましたが、やはり、今回が最後の決断のときのようです。

別れるなら別れる。付き合うなら、本気で付き合う。

そうした決断を、NOさん自身の中で下さなければなりません。

たとえNOさんが決断を拒否したところで、彼の「終りにする」という決断によって、運命は無情にも通り過ぎて行きます。

後がないのは確かですが、それでもまだ、NOさんには最後の決断のチャンスが残されているのですから、彼と付き合うことを望むのであれば、あきらめる必要はありません。

何を望んでいるのか、自分の気持ちをもう一度確かめてみましょう。


その左のカードをご覧ください。

2人の関係を妨げる障害を示すカード。

剣の6

取り返しのつかない失敗を犯し、後戻りのできないことを示しています。

お互いにゆずれぬ物があり、仲直りしたくてもとても難しい状態にあります。

この2人の間にできた溝はそう簡単には埋まりません。

水と油のように決して交わらないのなら、2人は別れて、それぞれ、水は水、油は油を求めて旅立たなければなりません。

おそらく、彼の決断はここから来たのだと思います。

つまり、水と油が交わることは不可能だと認めたのです。

それは、一つの前向きな姿勢でもありますが、必ずしもそれが唯一の解答であるとは限りません。

ここに野菜を切り刻んだ生サラダがあります。

味付けをどうしましょう。

しょうゆだけでは塩辛いだけです。

ごま油だけでは胸焼けがするでしょう。

しかし、しょうゆ(水)とごま油(油)を良く混ぜると、風味豊な中華ドレッシングが出来上がります。

しょうゆとごま油のお互いの良さが引き出され、サラダをとても美味しく食べる事ができるでしょう。

水と油が決して交わることはなくとも、2つが一緒になることで、初めて美味しいドレッシングができるのです。

そこに、彼とNOさんの間にできた溝を埋める鍵があるのではないでしょうか。

探してみますか?

それとも、あきらめますか?


「棒の7」の上のカードをご覧ください。

彼のNOさんに対する気持ちを示します。

XXI 世界

良さを認めてくれています。

しかし、もはや自分には手におえない存在と思われています。

NOさんは、あまりにも強すぎるのです。

強情で意地っ張りで、彼が何を言っても聞き入れようとしません。

自分とは「別世界」に住む人のように感じています。

自分の世界とNOさんの世界にある境界を越えてコミュニケーションをはかるためには、大変なエネルギーを消耗するのです。

たとえNOさんの存在が「宝」であったとしても、そのようなリスクを背負ってまで、手に入れようとはしないのでしょう。

今でも好きだという気持ちはあるでしょう。

本当はその境界を越えて愛し合いたいはずです。

ただ、付き合うにはあまりにもリスクが多すぎるのです。


「棒の7」の下のカードをご覧ください。

彼の潜在意識を示します。

XX 最後の審判

新しい時代への決断。

彼がNOさんと別れて、やり直す気もないという気持ちは本物です。

新しい自分の人生、新しい恋人を探す旅を始めようと心に決めたようです。

その気持ちは、もはや誰にも変えることはできません。

運命にも、NOさんにも、彼自身にも。

それならば、NOさんは、どうしてもその彼の気持ちを受け入れなければなりません。

ただし、それは2人の未来を完全に否定するものではありません。

見方を変えましょう。

彼の同じ決断でも、このように言い換えることができます。

「今までの約半年に渡る2人の過去を切り捨て、今後は、今までと同じような付き合いをするつもりはない。」

過去へのこだわりをなくし、気持ちのかたよりや、今までの過ちの繰り返しさえなければ、2人が付き合ってゆくことは可能なのです。

元に戻るのではなく、新しい未来を築いて行く。

鍵のありかが見えてきましたね。


「棒の7」の右のカードをご覧ください。

切り捨てるべき過去を示します。

ペンタクルスの10

お金。やっぱり出ましたね。

2人の間にお金の問題があるというお話は聞きましたが、それは単に具体的に現れた問題に過ぎず、実際にはもっと広い意味に結びつきます。

愛情表現のしかたのかたよりです。

おそらく、物やお金、いかにも恋人らしい付き合い、自己満足といったものです。

自分の心の安定を求めて、彼を利用していたような、そんなイメージがあります。

それは、NOさんだけではなく、彼がNOさんに対して取った態度も同じだったでしょう。

そうした2人の関係の中には、一見平和そうな「和み」や「安らぎ」があります。

しかし、「幸せ」であったかといわれると不安になるでしょう。

自己満足ではなく、どれだけ「2人の幸せ」を考えて付き合う事ができるかが大切なのです。

自分も幸せであり、相手も幸せである。

それが過去の付き合いとどう違うのかを見極めるのはちょっと難しいかもしれませんが、それに気がつけば、確実に未来に希望の光が見えて来ます。

鍵は、もう手の届くところにあるのですが・・・。


一番左のカードをご覧ください。

未来を示します。

剣の8

いくつかのご質問のうちの最初の解答です。

私達が元通りに戻ることは可能ですか?

元に戻ることは、これまでのカードを見ても不可能ですし、意味のないことです。

もし彼との新しい関係を望むとして、それが可能であるかということについて、このカードは答えます。

残念ながら、NOさんは決断を下す事ができず、泥沼にはまります。

過去を振り切らないまま彼との関係の継続を求め続けてしまうか、関係が終わっても、いつまでも思い続けてしまいます。

場合によってはストーカーのような危険な行動に出ることもあるでしょう。

別れるなら別れる、新しい関係を築くなら新しい関係を築く、そう決断して、どちらかの方向に歩み始めれば良いのですが、このカードはそのどちらでもない最悪のシナリオを予言しています。


これは、アドバイスではないし、そうすべきだというNOさんの義務でもありません。

今のままなら確実にそうなるでしょうという、単なる未来の予言にすぎません。

ここに示された未来は真実ですが、確実に実現するとは限りません。

もしその未来を望まないのでしたら、NOさんは、まず、どのような未来を望むのかということをはっきりさせ、その上で、これまでに示された6枚のカードと、これから示される残り4枚のカードのヒントから、未来を変えて行く努力をすればいいのです。

NOさんは、必ず「鍵」をつかむ事ができるはずです。


右側に縦に並ぶ4枚のカードを下から順番に見て行きます。

一番下のカードをご覧ください。

NOさんの立場を示します。

IV 皇帝

支配者。

彼を征服することを意味しているわけではありません。

NOさんは運命の支配者です。

支配者は、自分のわがままで何かを変えたりはしません。

既にある物をそのまま利用することを知っています。

運命も、過去も、彼の気持ちも、何一つ変える必要はないのです。

運命の流れに乗り、過去を切り捨て、彼の気持ちを受け入れる。

それが、支配者たるNOさんの立場です。


その上のカードをご覧ください。

彼の立場を示します。

棒のクイーン

NOさんが「皇帝」のような力強い人物として存在すれば、彼はとても安心してその意思に従う心の余裕を持っています。

彼は自分の決断を既に示したわけですが、はたしてその決断に対してNOさんがどう対応するのかを見守っています。

はっきりした答えを彼も望んでいることでしょう。

いつまでも待たせずに、うまく自分の気持ちを伝えることが大切です。


さらにその上のカードをご覧ください。

変化を示します。

棒の9

ちょっと危険なカードです。

NOさんにとっての決断を早く下す必要はあるのですが、頭の中だけで考えて、打算的な決断で行動してしまうと失敗をしてしまします。

タイミングが多少ずれることは心配せずに、しっかりと今までの反省のために時間を取り、最初に頭で考えたら、後でよく心に確認してください。

そして、心にも一切の迷いがない状態になれたら彼に気持ちを伝えてください。

できれば、その時までは今彼がどうしているとかいうことは考えず、連絡も取らないようにしてください。

ここで出される決断は、軽薄であろうが、吟味されたものであろうが、本当に最後の決断になります。

覚悟してください。


一番上のカードをご覧ください。

最終結果。

剣の10

10本の剣に突き刺され、倒れているNOさんの姿が描かれています。

真っ暗な闇の中。

しかし、そこには孤独感や敗北感ではなく、やるべき事を成し遂げたような達成感や満足感があります。

「剣の8」で失われた光が、ここでは闇のはるかかなたにうっすらと描かれています。

「夜明け」を迎える事ができるのでしょうか。


以上で10枚すべてのカードを読み終わりました。

タイミングではなく、決断を「するかしないか」ということが大切なので、今ここで「いつ」という問いに答えることはしません。

ここに示されたカードによって、少しでもNOさんの決断の助けになれば幸いです。

ベストの答えはありません。

示された未来をそのまま受け入れるか、ベターを目指して努力するかしかないのです。


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