Tarot FILES #31

　一緒になる約束をして既婚者と付合ったけれど結局裏切られてしまった。一つの命を失って。それでも彼を思う気持ちは残っている。もうこの後彼とは縁がないのでしょうか。

終わってしまった関係の後始末。彼や奥さんはKMさんとの縁もこれまでと思っているようですが、KMさんは、それに気がつかずに自分のペースで進んでいるように見えます。しかし、KMさんの想いは彼には伝わらずに、行動だけが空回りしているようです。

表に見せている行動と気持ちが一致していないこと。KMさんの目に映る彼の姿は、彼の本心が正しく現れた物ではありません。誤解や過信がトラブルの元になっていたようです。

彼は、最高の人。KMさんにとって、今まで出会った誰とも比べようのない完璧な人物を表します。KMさんの目には、彼以外の人物が映ることはないでしょう。例え彼が既婚者であろうと、どんな嘘つきであろうと、あるいは、仮に、犯罪者であったとしても、KMさんには、彼しか見えません。この世界にKMさんの理想を実現させることができる男性は彼一人しかいないと、「思い込んでいる」のでしょう。

彼も、KMさんと結ばれることを望んでいます。しかし、もしそうだとしたら、「愚者」のカードに示された、「KMさんの目に映る姿と彼の本心が一致しない」ということに矛盾が生まれてしまうように感じるかもしれません。

また、「剣の７」でも、彼は、KMさんとは縁がないと思っているように見えたので、ここでも、矛盾が生じたかに思えます。この矛盾を生み出しているのは、KMさんの中にある、もう一つの「思い込み」なのかもしれません。この「思い込み」は、まだカードにはハッキリ示されていませんが、これまでに、KMさんからいただいたメールを読んでみれば、その「思い込み」が何であるか、少しずつ見えてきます。

KMさんのもう一つの「思い込み」。それは、「KMさんは、彼と結ばれることを望んでいない」ということです。先ほどの「世界」のカードにも、KMさんの目に映る彼の姿は、まるで神のような存在であって、自分と結ばれるべき人物でないことが暗示されています。「世界」のカードを見れば、中央の彼の周りに境界線があり、その中に踏み込むことは不可能であると、KMさんは感じていることがわかります。

何か見えない物を信じて待ち続けるKMさんの姿。「大きな何か」を期待しているのですが、それが何なのか、KMさん自身にも分かっていなかったのかもしれません。何が来るのか、どこへ向かっているのかわからなければ、どんなに待ち続けても、KMさんの心が満たされることはないでしょう。

ペンタクルスとは、彼との付き合い、６という数字は、平和的な関係を感じさせるので、彼との関係は、これからもまだ続きそうな予感はします。ただ、それは、表面的な付き合いであったり、単に、「別れではない」というだけで、ほとんど会うこともなくなるかもしれません。彼と、再び心を通い合わせるのは難しそうです。

混乱、反発、反乱。彼との不和を生み出している原因はKMさんにあります。彼が平和的な解決や和解を望んでも、KMさんはそれに素直に従うことができずに、ますます状況を混乱させてしまいます。KMさん自身の心の不安が、安定した状況を無理に拒んでいるようにさえ感じます。

事態を静観しています。彼の行動をコントロールする力を持ち、直接手を下さずとも、KMさんが自ら去って行くことを知っているかのようです。彼女がこれ以上口出しをすることはないでしょう。

このカードは、先ほどの、彼の本心を表した「ペンタクルスのナイト」の願望が実現した物です。本来２人はこの世で結婚すべき「縁」があったのでしょう。しかし、どんなに良い「縁」であっても、この世に起ることは、全て自分たちの行動によって決まります。結果と、運命が食い違ってくるのはこのためです。

１０本の剣に突き刺され死に絶えるKMさんの姿。その「剣」は、現状に示された「剣の７」で、KMさんが手にしていたもの。自らの意思や行動などによって自分を死に至らしめたのです。KMさんは息絶え、すべてが終わるでしょう。その向こうに見える夜明けが、新たな出会いを予感させます。

以上で全てのカードを読み終わりました。彼とは終わったと、はっきりと言う事にします。いえ、これから、KMさんの行動によって、「終わる」と言うべきでしょうか。それが、良いことだとも悪いことだとも言う事はできませんし、幸せだとも不幸だとも決められません。ただ、そのような現実が目の前にあるというだけのことです。KMさんは、その現実を、どのように受け止めるのでしょうか。