時計 - X 運命の輪


普段何気なく見ている時計。日常生活に必要不可欠でありながら、最近では存在感が薄れているような気がします。

私は腕時計をしていないので、外出中に時間を確認するには携帯電話の時計を見ます。昔の人が懐中時計を持っていたのと似ていますね。パソコンに向かっているときは、画面の隅に表示されている時計を見ます。ただ、それは時計を見ているというよりは、時間を確認しているだけなのです。

小学生のころ、通学路の途中の民家の玄関先に、なぜか丸い壁掛け時計が取り付けてありました。学校までは約3キロの道のりを歩いて通っていたわけですが、その時計は学校まであと1キロくらいのところにありました。通学路の途中で唯一見ることのできる時計でした。あまり正確ではなかったような気もしますが、その時計を見て遅刻しそうなときは急いで走ったものです。あの時計は5分遅れている、いや3分早い、などと友達と話したりするのですが、時計を持っていない小学生には確認のしようもありません。その時計のおかげで今日は早く着いたとか、遅刻しそうになったとか、とにかく、そんな何の変哲もない普通の時計が、小学生の私たちには神秘的なものにすら見えていたのです。私たちにとって、その時計の存在感はとても大きなものだったと思います。

X 運命の輪

そんな時計があったことなどすっかり忘れていたのですが、自転車で街中を走っているときに、ふと、民家の倉庫の隅に置かれた丸い壁掛け時計が目に入り、デジャヴュを感じました。この不思議な感覚はどこから来るのかと思ったら、あの昔見ていた時計とイメージが重なったんですね。そうか、時計って、そんな存在感を持っていた時もあったんだなぁと、気づかされました。


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