占い師の選び方 後編


占い師が自ら作るWebサイトは自分のいいところだけをアピールしているわけで、人に見せたくないところを隠すのは当然のことです。それに対して、占いの依頼で一対一のメールのやり取りとなると人が見ていないところで密かに行われるものなので、Webサイトでは見せていなかったものを見せてしまう占い師もいます。見た目に感じの良いWebサイトほど実際のギャップは大きいものです。メールのやり取りをしてみて思いもよらなかった態度をとられてびっくりすることもよくあります。こういうことは、できることなら相談する側がもう少し割り切ってドライな目で見ていただけると助かるのですが、なかなかそういうわけにもいかないのでしょうね。

そういうわけで、実はWebサイトのコンテンツや掲示板、チャット、ブログなどは、その占い師を判断する材料としては重要ではあるものの、過信してはいけません。決して表面的な部分だけを見て判断してはいけません。最もだまされやすい部分でもあるのです。

そこで、私が気が付いたいくつかのチェックポイントを挙げておきたいと思います。

Webサイトには通常のコンテンツの他に注意書きのような部分が必ずいくつかあります。普段見過ごしがちな部分ですが、意外なことにこの注意書きを見ているとその裏に隠された占い師の人柄というのが何となく見えてくるのです。

例えば、「メールはテキスト形式でお願いします」とか、「ファイルが添付されたメールは削除してしまうので添付しないでください」などという注意書きもよく見かけます。どちらも一般的にはよく言われることなので相談者に特別なことを強いているわけではないように見えるかもしれません。そう書いている本人も、むしろメールの送信者に注意を促すことは親切だとさえ思っていることでしょう。ただ、そういう占い師に限って、実は権威的であったり、「こんなこともできないの?」と相手を見下す態度をとりがちです。私のサイトではあえてメールの送信形式などについては明記してありませんが、それはメールの送信形式がどのようなものであってもメールを受け取る側で対処すればどうにかなることだからです。ただでさえ悩みを抱えて困っている相談者に対して必要以上の負担をかけるようなことはすべきではないでしょう。

また、料金の振込みなどにも注意事項は必ず書いてあります。お金をもらって仕事をする商売なら仕方のないことだとは思いますが、どうしても料金に関する注意事項というのは一つ一つ細かく書いてしまいがちです。また、そうすることが義務でもあるとは思っています。振り込む側が戸惑わないように配慮するのは良いことですが、あまりに神経を使いすぎた書き方を見ると、この占い師は金のことしか頭にないのかと感じてしまいます。例えば、ほんのちょっとしたことですが、「1週間以内にお振込みください」とか、「アフターフォローは2週間以内」とか、明確に期間を限定した書き方は一見誠実そうに見えるので信用できる占い師だと思うかもしれませんが、実は、相談者を疑う態度の表れであり、精神的に余裕のない人物なのではないでしょうか。占いを商売と割り切るのも一つの考え方ですが、私は占いという仕事はもう少し人の「こころ」に配慮したものであって欲しいと思っています。料金は払えるときに払ってもらえればいいし、アフターフォローは時間がたちすぎて無理だと思えば、そのとき占い師の方から断ればいいだけのことです。占い師だって人間です。何でも機械的に期間を限定して処理する必要などないはずです。

占い師自身が書いたエッセイや詩などのコンテンツを公開しているサイトでよく見かけるのは、「当サイトの著作物には全て著作権があります。許可なく複製、転載、販売、出版または使用を禁じます」とかいうお決まりの注意書きです。まあ、権利を主張するのは当然のことであり、トラブルを回避するためには必要なことかもしれませんが、そういうことを平気で書いてしまう占い師というのは、やはりどこか権威的なところがあり、他人を見下す癖があるようです。あるいは、場合によってはかなり攻撃的な態度を取る占い師でもあります。著作権については特に明記しなくても法的に保護されているものだと思うし、多少のことは寛大な態度で受け止められるような心の余裕があってもいいのではないでしょうか。私のようなアバウトすぎる性格にも問題はあるかもしれませんが……。エッセイや詩だけを見ると、非常にすばらしい人柄を見せている占い師ほど、その裏側を知ったときのショックは大きいので気をつけてください。

占いサイトというのはデザインにこだわって独特の神秘的な雰囲気を演出したりすることが多いのですが、デザインにこだわっている度合いが強いほど、あるいは、美的センスに優れているサイトほど、その占い師というのはプライドが高くなる傾向があるようです。そのプライド(自尊心)をくじかれるのを非常に恐れていたりするので、言葉づかいに気をつけないと、突然怒り出したりするので気をつけましょう。そういう占い師に対しては低姿勢で接しないと大変なことになります。

占い師というのは、相談者が頭を低くしてお願いしてくることが多いので、つい自分が上の立場の人間だと思い込みがちです。また、「自分は相談者の知らないことを知っている」ということで優位性を感じることもあるでしょう。そのようにして生まれる上下関係というのは、場合によっては相談者を素直にし、占い結果を信じ込ませるのに役に立つものなのかもしれませんが、場合によってはマインドコントロールを可能にする危険なものなのかもしれません。人間というのは権威に弱いものなのです。

そういう「偉そうな」占い師が好きな人もいるでしょう。テレビによく出ている細木数子さんなども相談者を見下すような態度でしかりつけるから人気があるのかもしれません。ただ、私はそういう占い師に占ってもらってもあまりうれしくはありません。もちろん尊敬できる相手が自分より優位であることは好ましいことでもあります。自分にぴったりの占い師を探すというのはなかなか難しいことですね。

私自身も相談者を見下すような態度をとることもあります。私としてはそのようなことは本位ではないので、常に自分自身のことも反省しつつ、信頼される占い師を目指したいと思います。

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