迷路から抜けた瞬間、大量の光が3人を照らした。
伏見は青い空を見上げながら、大きく背伸びをする。
「やっと、外に出られた」
背の高い緑の草原は、太陽の光を浴びながら風に揺れていた。
そして、鳥の優しいさえずりが聞こえる。
「結局、あの迷路は何だったのだろう・・・魔族の罠でも無いみたいだし・・・」
綺羅は伏見の言葉に紫色の瞳を細めた。
「第一、法の塔の人間達が助言をするのもおかしい」
螺夜は腕を組み考え込む伏見の姿を見ながら、綺羅にそっと小瓶を手渡した。
「どうやら、私達は罠にかかったのではなく、遊ばれたのかも知れません」
綺羅は楽しそうにクスクスと笑いながら話を続けた。
「彼らは遊び好きですからね」
そう言いながら、螺夜から手渡された小瓶から小さな種を取り出し、大地に放った。
その種は見る見るうちに大地に根を張り、芽を伸ばす。
背丈ほどの高さにまで成長すると、大きな蕾を作り白い大きな花を咲かせる。
そして、その開いた白い大きな花から聞き慣れた懐かしい声が聞こえた。

「たまには寄り道も必要だ。そうだろ?」

「・・・この声は・・・遊佐??」
他にも笑い声やざわめき、優しい声が聞こえてくる。

「綺羅・・・旅を十分に楽しみなさい。貴方の旅なのですから・・・」

綺羅はその声に嬉しそうににっこりと微笑んだ。
「はい・・・伊里座」

白い大輪は全ての言葉を発した後、腐り大地へ帰っていった。
「さぁ、行きましょうか・・・」

再び綺羅達は草原を歩き始めた。




オワリ