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「その彩羽はこの法の塔に?」 綺羅は優しい紫色の瞳を細めた。 「はい。占術師の塔の最上階に今も居ますよ」 伏見は少し言い出しにくそうに、綺羅を見つめた。 「前占術師の師、珂士斗は・・・全ての力を彩羽に委ね、安心するかのように永い眠りにつきました」 そう良いながら綺羅は少し寂しげに微笑んだ。 「私達は明日、法の塔を離れてしまいます。また来るような事があれば、他の塔にも行ってみましょうか」 その言葉に伏見は嬉しそうに青い瞳を細めた。 次の日の朝、綺羅と伏見、そして螺夜は法の塔の門前にいた。 そこには伊里座と遊佐達が見送りに来ていた。 「次に来る時には、もう少し長くいて旅の話を聞かせてくれ」 遊佐は綺羅の右肩に軽く手を置く、そして伏見の方へ瞳を向けた。 「伏見の剣の話もじっくり聞きたいしな」 伏見は嬉しそうに微笑む。 「はい」 遊佐と伏見の会話を聞きながら、綺羅は伊里座に向かって呟いた。 「いつ来られるか分かりませんが・・・また逢いに参ります」 「案外、すぐに逢えるかもしれないわよ」 その声に一同は振り向いた。 声の主を見つけ、綺羅は嬉しそうに微笑んだ。 「彩羽」 彩羽は宝石のような青い瞳でにっこりと微笑む。 「綺羅、まだ私の力は必要ないようね」 彩羽は笑みを浮かべた瞳で上目遣いに綺羅を見つめた。 「えぇ、私は自分の力で過去を見つけるつもりです」 「貴方の力になれる事を心待ちにしているわ」 彩羽の言葉に綺羅は紫の瞳を細めた。 法の塔の人々が見守る中、綺羅達の旅が再び始まる。 ********************************* エンディングレベル:★★★★★ ********************************* |