「ツキノツバサ」

入力した瞬間、洞窟は膨大の光に包まれる。
「まぶしっ」
その輝きは目の前にある岩で出来た巨大な入れ物をも照らす。

ゴ、ゴゴゴゴッ!!

大きな音と共に入れ物の扉が開き始める。
そして、中から氷で出来たように透明な女神像が現れた。

「・・・め、女神?!」

等身大の女神像の腕には青みがかった美しい腕輪をしている。
「この腕輪がアイテム?」
「・・・この腕輪は・・・」
マーシャがゆっくりと女神像から腕輪を外す。
「・・・この腕輪は「輝ける腕輪」、別名「モンスター避けの腕輪」」
リョウが驚いたように声を上げる。
「モンスター避け?・・・って事は」
「モンスターの出現率を下げるって事なのか」
リョウとカズイは光を反射させキラキラと輝いている腕輪をじっと見つめる。
そして、楽しそうに声を出して笑い出した。

「・・・?どうしたの?二人とも」
ケイトが首を傾げながら呟く。
「い、いや、俺達にモンスター避けの腕輪?・・・似合わないだろ?」
「・・・・そ、そうね。力業で進むあなた達には必要ないかも・・・」
マーシャまでも楽しそうに答える。
「だろ?」

青い洞窟の中で楽しそうな笑え声が響いた。

「さて、洞窟も十分楽しんだ事だし、アイテムも手に入れた」
「後は、洞窟から無事に脱出するだけだ」
「そうね」
「うん、帰ろうか」





ツギヘ