広い荒野にただひとり
羽根を無くした天使がひとり

この赤茶色に乾いた大地で
神に試された天使が歩き出す

まっすぐ地平線を見つめたまま
ゆっくりと確実に一歩を踏み出した

遠くの方で雷鳴が聞こえ
大地が蠢く
乾いた大地は目覚め始めた


瞳を閉じれば美しい大地
大地の過去の記憶

沢山の汚れたモノ達
繁栄しすぎたセカイ

そして大地は眠りについた

汚れたモノ達は
行き場を無くし
未来への扉を硬く閉じる

永遠に来ることがない
未来の夢を見続けながら

目覚めることのない眠りについた


大地には純白の羽根
風が吹いて空しく散っていく

羽根を脱ぎ捨てた天使は
まっすぐ地平線を見つめる

大地に未来を馳せながら
振り返ることなく歩き続ける

目覚めた大地に
新しい命が誕生し始めた









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