百合の甘い香りに翻弄されて
僕は抜け出せない迷路へ入り込んだ

一面に咲く白い百合
むせ返るような甘い香り

まるでそれは麻薬の様に
僕の心に入り込む

香りに紛れた過去の記憶
夢の中で続く現実

本当の僕は何処にいるのだろう
忘れていく真実

夢の中に漂う思考
広がる甘い甘い百合の香り

フラッシュバックの様に浮かぶ映像
むせ返るような香り

百合の中に一人
白い服を着た青年

憂いが青年を包む
頬に伝わる一筋の光

青年が見つめるその先に
眠るように男が横たわる

青年の手には鋭く輝くナイフ
青年は小さく何かを呟いた

むせ返る百合の香り
あの青年は僕だ

百合の花びらが香りと共に舞い上がる
その間から見えた真実

引き戻される現実
僕に流れる時は終わりを告げていた

眠るように横たわる男の横に
赤い絨毯を敷き横たわる僕

手には 輝きを無くしたナイフ
紅色をしたナイフ









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