電源電圧監視ユニット(秋月ブザー版) 壱号


 コンセプト

過放電が致命傷になるリチウムポリマーバッテリには電源電圧監視が欠かせません。4ch送信機を製作した時に零号ユニットを製作し、使用してきましたが、どうも動作が不安定です。

規定電圧になり、鳴りだしてもすぐに止まってしまうことがあり、信頼性がイマイチでした。そこで、新設計したのが壱号ユニットです。

零号が不安定な原因ですが・・・送信ユニットに使用している三端子レギュレータ78L05は6.3V以上でなくては正常に5Vを供給することができず、この境界線で不安定になっていたのが原因です。

そこで、5.3Vの入力電圧でも動作する三端子レギュレータSEIKO S-81350AGを使用し、ユニットが単独で動作するように改良したのが、壱号です。

調整がやりやすいように10kΩの半固定抵抗にトリムポッドを使っています。


回路図

基板パターン

電源電圧監視ユニット(秋月ブザー版)壱号のPCBE基板パターンはこちらです。


ファームウエア

リポの公称電圧は2セルで7.4Vとなっていますが、充電直後は8.2V以上になります。放電すると徐々に電圧が下がり、1セル当たり、2.7Vを下回ると電池としての能力が完全になくなります。

そこで、7.4Vを基準とし、6.7VよりLEDの点滅による警告、6.5Vより下はブザーも併用した警告とし、6Vを下回ることがないようにしました。

7.4Vを基準としましたが、12F683のA/Dコンバータは5V付近の電源電圧を基準電圧としているので、7.4Vをトリムポッドで分圧し、入力しています。

6.7Vの場合は・・・

6.7V/7.4*1024=927

となり、A/Dコンバータ入力が927となるので、この値を下回ると、動作に入るようにプログラムします。

三端子レギュレータの出力電圧には若干のばらつきがあるので、この値を測定し、基準電圧の7.4Vに対して、三端子レギュレータの出力を100%としています。あとは比例計算で必要な電圧値のA/Dコンバータ出力値を求めることができます。

電源電圧監視ユニット(秋月ブザー版) 壱号のファームウエアC言語ソースファイルはこちらです。

電源電圧監視ユニット(秋月ブザー版) 壱号のファームウエアHEXファイルはこちらです。

(2006.11.1 バージョンアップ!)

・便利に使っていましたが、消し忘れてブザーがぴーぴーと鳴り続けました。前日に切り忘れたままになっていたので、27時間ほど、動かしっぱなしでした。(4ch赤外線送信機は24時間以上連続動作可能なことがわかりました(^^;))
・これではまずいので、電源投入後、3分ごとに「ぴーぴー」と2回ずつ、音が鳴り、LEDが点滅するルーチンを組み込みました。多少、うるさいですが、これで切り忘れがなくなると思います。


完成!

特別な部品は使っていないので、問題なく完成できると思います。

【調整方法】

(1) 可変電源を使って、7.4Vを供給します。
(2) 三端子レギュレータの出力電圧を測定します。(私のは5.13Vでした。)
(3) GP4に加わる電圧が(2)と同じになるようにトリムポッドを調整します。

以上で調整は終わりです。

【動作確認】

可変電源を接続し、8V位から徐々に電圧を下げて下さい。

(1) 電源を投入するとぴーぴーぴーと3回ブザーが鳴り、LEDが点滅します。
(2) 6.7Vに電圧が下がると、まずLEDが点滅を開始します。
(3) 6.5Vになると1000ms周期でLEDが点滅し、ブザー鳴ります。
(4) 6.3Vになると500ms周期で周期でLEDが点滅し、ブザー鳴ります。
(5) 6Vになると250ms周期でLEDが点滅し、ブザー鳴ります。

以上のような動作であればOKです。実際に使用する時は(5)の状態になるまでに充電するように心がけて下さい。

完成した壱号ユニット・・・送信機内に入らなかったので、ブザーを外付けにしました。 基板裏面
4ch送信機に組み込みました トリムポッドを寝かし、LEDも外付けにしました