八十歳の誕生日に思う事
平成十三年十二月一日は、私宏江の八十歳の誕生日でございます。 昨夜来の、テレビのニュースで皇太子妃雅子さまご出産のためご入院なされましたとのこと。もしかして、誕生日がご一緒になりはしないかしらと思いました。期待どおり、同日無事女の御子さまがお生まれになりました。嫁の加寿子さんは、お母さん、幸運でしたね、お喜び申し上げますとお祝いを言ってくれました。私とても心から、お祝い申し上げたいと存知あげます。そして、どうぞお健やかにご成長なされます事をお祈りいたします。
私がいままで生きて来られましたことを不思議に思います。主人より後まで生き延びるとは考えられませんでした。主人のほうが、頑健でしたから。ある時期子供たちに遺書を書きました。日頃より血圧が高くなりましたために、現在でも降下剤は服用しております。脳溢血その他の脳疾患で、倒れた場合手術は行ってはいけない。なりゆきにまかせてほしいこと。残されたお父さんのことを頼みました。あの頃1歳だった孫はもうすぐ30歳に手の届く現在です。早いようでも振り返ってみれば、嬉しい事悲しいことの連続で苦しみの月日でもありました。その間、私達夫婦は影になり日向になって、無くてはならない、水と空気の存在でした。或るときは、一人になった時、支えあっていたつっかい棒を失った空恐ろしさを感じておりました。