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Tarot FILES #39

メールのマナー - I 魔術師

2005-07-17T18:55:41+09:00


別に今に始まったことでもなく、昔からあることですが、マナーの悪いメールを受け取ることはよくあります。お互いによく知る相手ならともかく、相手が他人であればなおのこと、まずは簡単な挨拶をすべきでしょう。それから、自分が誰であるのかという簡単な説明くらいはしてもよいはずです。しかし、用件のみで、挨拶も名前もないというメールは非常に多いのです。

このようなことがなぜ、平気でできてしまうのでしょう。おそらく、普段の生活では、このようなことは少ないと思います。メールのようなインターネット上のコミュニケーションにおいて多く見られる「現象」ではないでしょうか。

鍵となるのは「匿名性」です。匿名性というのは、「誰であるのかわからない」ということです。匿名性が高くなればなるほど、人はどんどん理性を失ってゆきます。同じメールのやり取りでも、匿名性が低くなればなるほど自然とマナーが守られるようになってきます。

メールはコミュニケーションの手段の一つですが、掲示板やチャットなどでも同じことがいえます。「2ちゃんねる」などは匿名性の非常に高い掲示板の一つと言えると思いますが、そのおかげで人は理性の束縛から解放され、自由に発言をしています。自由というメリットは大きいのですが、同時に、そこでのマナーがあまりにもひどいということは誰もが気が付いていることだと思います。投稿時に名前の記入欄があるにもかかわらず、そこに何らかのハンドルネームを記入する2ちゃんねらーはほとんどいないでしょう。ハンドルネームという匿名すら名乗ることすら恐れているわけです。いわゆる固定ハンドル(コテハン)を名乗ることで、匿名性が失われ、自由に発言できなくなるからです。

マナーをどうこう言わなければ、自由さえあればそれでいいのですが、現実には、それがトラブルの元となっています。メールや掲示板でのコミュニケーションで感情的な言い争いが多いのはそのためです。パソコンに向かっていると、どうしても文字による情報は文字その物の意味でしか考えられなくなってしまいます。例えばインターネットで情報を検索しようと思ったときには、常に文字その物でしか検索できないからです。これは、非常に便利なことではあるのですが、おかげで、人々は言葉に込められているはずの「こころ」を見失うことになります。昔の人は、それを「ことだま」と呼んでいましたよね。

私が携帯ユーザのために占い結果の郵送サービスを始めたのも、占い結果に込められた魔力とも言えることだまをしっかりと受け取って欲しいからです。単なる文字情報ではないというのは、そういう意味です。

米を鍋で炊いてみたり、メールを郵送してみたりと、こういうのを「スローライフ」と呼ぶのでしょうね。私は意識的に実践しているわけではないのですが、日常生活の中に少しはスローライフ的な部分を残しておかなければ、人間はどんどん理性を失ってゆき、やがては社会全体がおかしなことになってしまうのではないかと感じています。

少し話がそれてしまいましたが、ポイントは「匿名性」。そして、メールや掲示板などが、「文字のみ」のコミュニケーションであること。この2点が、問題なのです。

インターネット上で素性をすっかり明かしてしまうことは必ずしもよいことではありませんが、少なくとも何か発言をするのであれば、それが誰の発言であるのかということを明確にするための最低限の情報は欲しいですね。このブログには「プロフィール」があり、私について簡単に説明していますが、このようなプロフィールは、他の多くのブログにも付いています。中には「アバター」といって、自分の分身となるキャラクターをブログ上に表示しているところもありますが、そうすることで、たとえヴァーチャルとはいえ、そのブログが誰によって書かれているのかということを明確にしています。しかし、時々見かけるのですが、プロフィールやアバターのないブログというのは、たとえ記事そのものに良い事が書かれていても、はたして信用してもよいものかどうか不安になってしまいます。記事に対してコメントするのもためらってしまいます。

メールの本文についても、言葉に気持ちを込めるのであれば、HTML形式のメールは非常に有益な手段だと思っています。文字に色を付けたり、サイズや太さを変えて強調したり、見出しや囲みをつけてみたりと、様々な装飾が可能になります。イラストを挿入することもできるし、その気になれば、手書きの文字をそのまま送る事だってできます。携帯メールで絵文字が盛んに使われるようになったのも、単なる文字情報以上のものを伝えたいと思うからでしょう。このような工夫を凝らしたメールを書くことで、コミュニケーションも円滑になり、無益な言い争いなどのトラブルも減るのではないでしょうか。

一般的には否定的な意見の多いHTML形式のメールですが、HTMLメールを否定する人たちの考え方というのは、インターネット上での情報は単なる文字情報であるという認識に犯されているとしか思えません。セキュリティ面での問題を懸念する人も多いとは思いますが、HTMLメールというのは、送信者が悪意を持って作成したものでない限り、基本的には通常のテキスト形式のメール同様に全く安全なのです。確かに気をつけなければならないこともありますが、「使うべきでない物」と完全に決め付けるのはおかしいと思います。むしろ、正しい使い方を学んで、もっと積極的に活用すべきなのです。

メールを書くときには、そのディスプレイの向こう側にあるのは機械ではなく、人間だということを忘れないで欲しいですね。

タロットカード: I 魔術師

タロットに関係ない話題なのでカードを1枚選びましたが、「I 魔術師」としたのは、「私は誰であるか」ということを最初に主張するのがこのカードであり、言葉に魂を込め、ことだまを操る陰陽師のごとき人物を描いているからです。


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