Tarot FILES #44

「〜〜〜だから、○○○する。」

最近気になる言葉です。最初からそんなことを考えて行動したとは思えないのに、まるで、最初からそう思っていたんだというような発言。何かをするためには理由が必要でしょうか？ 本当は理由などなく、ただ、何かをしたいと思っているだけなのに、理由を言わないと他人に認められないような気がして不安だから、つい、「〜〜〜だから」と付け加えてしまうのではないでしょうか。

学校(や家庭)などでそのように教育されているからかもしれません。教師(親)は必ず生徒(や児童)に問う。

「どうして？」

きっと、それが教師の義務だと思っているのでしょう。生徒はストレスを感じながらも、答えることが優等生だと思うから、苦心して、後付けの理由を無理やり考える。そんなふうにして、多くの人が育ってきたのではないでしょうか。本当は理由があって行動するという順番なのに、今の人たちは、なぜか逆になっているような気がします。行動のあとで理由を考える。やってしまってから言い訳を考える。理由がないと恥ずかしいと思ってしまう。そして、最初からそう思っていたんだと主張する。

確かに、理由無しに行動してしまえば、多くの過ちを犯すことになるでしょう。理由が必要なのは、過ちを回避するためです。後から考えても何の役にも立ちません。むしろ、自分を正当化するための卑怯な発言としか思えません。

人は理由無しに行動することもあるし、それ自体は悪いことでもないし、結果的に良い結果をもたらす場合もあります。自分がなぜそういう行動や結論に達したのか、最初から明確な理由がなかったのなら、無理してあとから理由など考えず、こう考えてみるのはいかがでしょうか。

「運命に、身を任せたまで……。」

教師や親が子供たちに「どうして？」と問うのは、そのほとんどが子供たちのことを考えた思いやりのある言葉ではありません。大人たちは、子供たちを精神的に追い詰めることで、子供たちからエネルギーを奪い、支配者になろうとしているのです。このような行動を「コントロールドラマ」と呼びます。