2005-09-12T21:55:43+09:00
ブラック・ジャックという漫画があります。私はほとんど見たことはないのですが、免許もないような医者が法外な料金を請求する代わりに難しい手術を成功させるというような話だったと思います。
患者が貧しかろうが金持ちだろうが、ブラック・ジャックはお構い無しに高額の料金を請求します。貧しい人はそれでも何とか手術を受けようと必死になってお金を用意してブラック・ジャックに頼みます。
ブラック・ジャックが望んでいたのは本当はそんな高額のお金ではなく、依頼者の生きることに対する真剣な気持ちを引き出すことだったのではないかと思います。そして、手術を成功させたのも、実はそんなふうに引き出された患者自身の「生きよう」とする必死の思いだったのではないでしょうか。
もちろん、これが実話だというわけではないと思いますが、原作者の手塚治虫さんの伝えたかったことは、そういうことだったのではないかと思いました。
占いも同じだと思います。悩みを解決するのは占い師でも占いそのものでもなく、あくまで相談者自身です。無料や低料金だとついそのことを忘れがちで占い(師)に依存してしまうことも良くあることです。ある程度の金額のお金を支払うことで相談者にとってもそれなりの覚悟ができ、自分の問題に真剣に向き合うようになり、結果的に問題の早期解決につながるのだと思います。
無一文の貧しい人にも占いをしてあげたいと思う気持ちはすばらしいことですが、それが占い師の自己満足にしかならず、人を救うどころかますます迷い道に誘い込んでしまう危険もあるのではないかと、最近特に思っています。
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