アポロのタロット占い

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Tarot FILES #88

間 - space

2006-05-05T17:29:11+09:00


最近、手紙を書きましたか?

E-メールなら、もう誰でも日常的に書いていると思います。そうではなくて、郵送の手紙です。昔は私も文通が趣味で、何千通も手紙を書いたものですが、今ではほとんど書く機会がありません。E-メールで間に合ってしまいますから。

手紙も E-メールも、遠距離の通信手段であることには変わりなくて、時間的な差はあるものの、伝えられる情報量はほとんど変わらないと思います。手書きなら気持ちも伝わるという人もいるかもしれませんが、私の場合、手紙でもワープロで書くので、E-メールとなんら変わらないのです。

それでも、手紙の場合は、E-メールでは伝えられないものを伝えることができます。文字や絵や、写真といった目に見える情報だけではなく、手紙と一緒に気持ちまで封筒の中に封じ込めることができます。たとえワープロ書きで印刷されたものであれ、便箋を三つ折や四つ折にていねいに折って、お香や香水で香りをつけたりして、お気に入りの切手を貼ったきれいな封筒に入れ、糊をつけて封をする。その上に「〆」と書いてみたり、ハート型や☆型のシールを貼ってみたりする。それから、近所のポストまで持っていって、口の中に放り込む。もちろん、その瞬間にも気持ちを込めて。

「早く届きますように・・・」

そういった、一つ一つの手間の中に、送り手の想いが少しずつ少しずつ込められているもの。それが、手紙です。E-メールでは便利すぎて想いを込めるための「手間」が少なすぎるような気がします。送ってから届くまでの、のんびりした「時間」もまた、想いを募らせるのに一役かっています。

とか時とか、つまり「(ま)」というものが大切なんでしょうね。

E-メールやWebページ、ブログの記事などの「行間」もまた、多くの場合、とても狭くて読みにくいですよね。コンピュータの画面上に、一度に表示させる文字情報は多いほうがいいという考えかただだと思いますが・・・。このサイトでは行間をやや広めに設定してあります。ひと手間かければ、コンピュータ上でも読みやすい文章を書くことはできるのです。問題は、その「手間」ですけどね。(この段落は、意図的に行間を狭くしてあります。

合理性や便利さを追求し、技術が発達すればするほど、野暮ったい「間」のようなものはどんどん削られてゆきます。しかし、その「間」こそが、精神性豊かな人間の生活を支えているのも事実。

を合わせて「人間」です。人間とは、霊長目ヒト科の動物の中において、精神性を持った存在を呼ぶ言葉なのです。

「間抜け」という言葉もありますが・・・。

」を失った世界は、さぞ虚しいことでしょう。

」とは英語で「space」です。私のブログ(アポロ漫録)もスペースSpaces)と呼ばれているわけですが、そういう意味では、私はこのブログで記事を書いてゆくことに深い意義を感じています。Microsoft にその意図がなくとも、ある意味で、これはシンクロニシティ(意味のある偶然の一致)ですからね。

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