創聖のアクエリオン


私は最近のアニメに関してはそれほど詳しくはないのですが、つい先日、たまたま、Yahoo!動画で「創聖のアクエリオン」というアニメの第 1 話を見て、なかなか面白そうだと思ったので、レンタルビデオ屋で DVD を見つけると、さっそく借りてきて観てみました。

つい先ほど最終話を観終り、感動に打ち震えているところです。

このアニメは、ちょうど 1 年前くらいにテレビで放映されていたものらしく、主人公はなんと「アポロ」です。最初は、名前が私と同じだというだけで興味を持ったにすぎなかったのですが、話の内容のほうもなかなか面白くて、どんどん引き込まれていきます。

大人が理屈っぽく考えながら観てるとバカバカしくて見ていられない話になってしまうでしょう。しょせん子供向けのアニメだとバカにされても仕方のないところもあります。しかし、それはそれで、このアニメのすばらしいところです。子供が楽しめるような表現方法でありながら、扱っているテーマはとてもまじめなものばかりだからです。むしろ、今の大人たちが子供たちに教えることができなくなってしまったものを、代わりに教えてくれるすばらしい作品だといってもいいと思います。

今の大人たちでさえ忘れてしまっている大切なことを、このアニメは教えてくれます。そんな大人たちにも観てもらえたらなぁと思います。

内容については、まだ観ていない人のために詳しくは書かないほうがいいのかもしれませんが、私は、このようなアニメを、現代の神話やおとぎ話のようなものだと考えてもいいのではと思いました。昔からある神話やおとぎ話も、理屈っぽく見てしまうと、現実的にはありえない話ばかりです。でも、人は昔から、そんな神話やおとぎ話を、子供のころから聞かされて育ち、物事の善悪や、アイデンティティー、世界のあり方などを学んできたのです。最近ではそういった教育よりも、もっと現実的な事柄に重点を置いて教育を受けているせいなのか、物事の善悪の判断ができずに、簡単に人を殺してしまうような子供たちが増えているような気もします。あるいは、まじめで仕事のできるエリートほど、他人を傷つけるような行為を平気でしているといったようなことも現実に起きています。国際化社会でナショナリティーの意義が薄れ、アイデンティティーが揺らいでいる若者も多いことでしょう。

ただ、このアニメは、そういった教訓めいたことも一切考えずに観ても、とても楽しめる作品です。むしろ、何も考えずに観てもらいたい。学ぶべきことは、考えずに、ただ、心のどこかで感じることができればいいと思います。

XVI 塔 11 話でタロットカードが登場します。不幸が売りの女性(麗花)がタロット占いをしていて、めくったカードは「XVI 」でした。彼女は「別れ」を意味するカードとして解釈していました。アニメの中でありながら、きちんとデザインされたタロットカードだったので感心してしまいました。実在のカードをモデルにしたのかは不明ですが、カードが出てきたのはこの 1 話だけなので、関連商品として発売されるといったことはなさそうですね。

タロットカードに限らず、登場するロボットや人物、背景など、どれをとってもとても美しい絵なので、それだけでも観る価値ありです。また、音楽もすばらしく、オープニング曲の歌詞が物語の中でそのまま使われていたりして、全 26 話を通して詩的な、あるいは交響詩的な響きを作り上げています。最近のアニメはみんなこれほどのクオリティなのかどうか知りませんが、「創聖のアクエリオン」はかなりハイレベルです。機会があったらぜひ観てくださいね。

ちなみに、アニメの中で、主人公のアポロの過去生過去世)とされている「アポロニアス」ですが、この名前はおそらく、紀元 1 世紀前後、イエス=キリストと同時代に生きたとされる伝説上の人物「ティアナのアポロニウス」から取られたものと思われます。実は、私も、前々からアポロニウスのことは気になっていて、自分の前世だろうと勝手に思っていました。アポロニウスについては、いずれもう少し詳しい記事を書く予定です。

他にも、「生命の樹」が出てきたりと、最近のアニメにはこういうオカルトネタが多いんでしょうかねぇ?

私のホームページのデザインは、1997 年の開設当初からほとんど変わっていないのですが、緑の背景は緑の大地を、金色のタイトル文字は太陽(神アポロ)の輝きを、そして、シンメトリーなコンテンツの配置は生命の樹を意識してデザインしてあります。偶然ながら、このアニメの内容と一致しています。オカルト的な知識に基づいていれば似てしまうのは当然ですね。


アポロのタロット占い