□ scene1 □


-拝啓 ユリアス様-

-ユリアスさん。初めてあなたの名前を呼べた気がします。あれから四ヶ月が過ぎました。
今、日本は桜が咲き、春の息吹を感じる事が出来ます。ユリアスさんは今何処で暮らしているのでしょうか-

東京都港区、東京タワーが見える高級マンションの一室でツヤ子は筆を動かす。
部屋の中には段ボールが山積みにされており、哲也が近くで段ボールを一つ一つ開け、中の物を取り出し片づけている。
「-私達は東京タワーの見えるマンションで新しい生活を始めようとしています-・・・-私達の約束が成就されようとしています-・・・ -私達はついに結婚する事となりました-やっぱり結婚という言葉ははっきり書いた方が良いかしら・・・」
ツヤ子は右手に万年筆を握ったまま考える。
「ツヤ子さんが書きたいように書けばいいですよ」
哲也はツヤ子の近くに座り、手の中にある真っ白の羽根をツヤ子に差し出した。
ツヤ子はその羽根を受け取る。

-あの時、私を救い出してくれたのはユリアスさん、あなたです。
あなたの白い羽根で帰ってくる事が出来ました-

 

-scene2-

-めぐり逢った時を-

-back-