□ epilogue □


気が付くと、功の部屋に4人はいた。

「功っっ、大丈夫か? 功っっ起きてくれっっ!!」
高志は倒れ込んだ功を支えたまま心配そうに見つめている。
「・・・功っっ!!」

「・・・・・気付くの遅すぎなんだよ・・・」

功はゆっくりと瞳を開き、自ら起き上がった。
そして、ユリアス達に向かいにっこりと笑みを浮かべる。
「すみません。結局、巻き込んでしまいました」
「僕たちは何もしていないですよ。お礼を言うなら高志さんに言ってください」
ユリアスもにっこりと笑みを返した。


次の日、高志、功、そしてユリアス達は小学校の裏にある雑木林へ足を運んだ。
高志達が記憶していた雑木林には、工事車両がせわしなく動き、大きな音を立てながら作業を進めていた。
「・・・無くなるのか・・・ここは」
功はぽつりと寂しそうに呟く。
「・・・金木犀も無くなるのかな・・・」
その時、一筋の風が通り過ぎる。
その風は微かに甘い香りを運んで来ていた。
4人は工事現場を抜け、雑木林の一本道へ足を進めた。
そして、金木犀のあるはずの場所で足を止める。

そこにはオレンジ色の花びらを地面に撒き散らし倒れている金木犀の大樹があった。

「昨日の光が最期だったのかも知れない・・・」
ユリアスはそうゆっくりと呟いた。
そして言葉を続ける。
「最期に大切な友達に逢いに行ったんだね・・・」
小さな風がユリアス達の周りを通り過ぎる。
「アリガトウ」

一瞬、金木犀からそう聞こえた気がした。

 

-scene7-

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