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青い空と海、白壁の町並みギリシャ。
その白壁を海と空の青色が囲んで見えるような高台で、エーゲの撮影準備は始まっていた。
そこにはギリシャ神話の神々のような真っ白い服を着込み、群青色の深い青い布を頭から被い静かに座っているシキの姿があった。
シキは遠い空を見つめている。
しかし、その瞬間、何かを感じたように立ち上がった。
海から温かい風が舞い上がり、シキを包む青い布が舞う。
「・・・・・・ユリアス」
「浮かばない顔をしてどうしたんだ?シキ」
シキはその声に振り向く。
「・・・ケイリー、シェリー」
「もうすぐ撮影は始まりそうね。間に合った良かったわ。ジーン達ももうすぐホテルから到着するはずよ」
「ジーンとユリアスは行動を共にしていますか?」
ケイリーはシキに向かって歩きながら笑みを浮かべる。
「シキはユリアスの事となると、心配性になる。大丈夫さ、そう心配するなよ」
「そう・・・ですね」
遠くの方から撮影を始める声が聞こえる。
シキはすっと立ち上がり、ケイリーの耳元でそっと囁いた。
「先ほど、ユリアスの気に異変がありました。ユリアスの周りで何か起きたのかも知れません」
「OK。俺達がジーン達を探してくるよ。シキはここにいろ。いいな、ここが一番安全だと思うからな」
再び遠くからシキを呼ぶ声が聞こえる。
「分かりました。撮影は無事に終わらせます。ユリアスの事を頼みます」
ケイリーはシキを安心させるようににっこりと微笑んだ。
シキも同じように笑みを浮かべ、撮影の場所へ向かって歩いていった。
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