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「・・・ホテルの部屋?」
ユリアスは天井を見ながらそう呟いた。
体をゆっくりと動かしてみる。ベットの上に寝かされた状態で両手を後ろに縛られ、両足を同じように縛られており上半身を起こすのが精一杯だった。
「あら?お目覚めのようね」
そこにはにっこりと笑みを浮かべる金髪に青い瞳の女性が椅子に座っていた。
「あなたは・・・確か、キャルさんだね」
キャルは嬉しそうに目を細める。
「知っているのなら話は早いわね。ごめんなさいね、こんな事をして。あなたが悪い訳じゃないのだけどね」
ユリアスはキャルの笑みに負けない位の微笑みを浮かべる。
「せめて、両手の縄を外してくれると嬉しいのだけど」
「それは可愛そうだけど、出来ないわ。見ての通りこの部屋には私だけ。他の男達は見張りでいないのよ。
いくら可愛い顔をしてても男の子でしょう。私だけじゃ太刀打ちできないもの。恨むなら、Be-bとそのモデル達を恨みなさい」
ユリアスはキャルの言葉をうつむき聞いていたが、じっとキャルを見つめていた。
「じゃあ、仕方ないね。勝手に外させて貰うよ」
ユリアスは目を閉じ、ゆっくりと両手に力を入れる。
すると、縄は縛った物を解くように自然と外れていった。
キャルは驚いたように後ろへ下がっていく。
ユリアスは両足の縄を外し、両手の縛られたところを触りながらベットから降りた。
「じゃあ、僕は帰らせて貰うから」
キャルはとっさに近くに置いてあったフルーツナイフを両手で持つ。
「やめなさい」
ユリアスはその声に嬉しそうに笑みを浮かべる。
そこには、スーツに着替えたシキと、ケイリー、ジーンがたたずんでいた。
キャルはナイフを持ったまま、苦しそうに呟く。
「外の男達は何も役に立たなかったのね」
ケイリーはキャルを見つめながら、携帯電話を取り出して話し出した。
「シェリー、15分たっても降りていかなかったら警察に電話を」
電話口からシェリーの声が聞こえる。
「OK、分かったわ」
シキは何も言わずユリアスの所まで歩き、ユリアスの両手首を見つめた。
両手首には赤く縄の後が残っている。
シキはユリアスの右手首を右手で持ち赤くなっている部分を手で被う。
そして、苦痛な声で呟いた。
「何故、もう少し待ってくれなかったのです」
「シキの旅人の姿を見たかったんだ。それにみんなを心配させちゃいけないと思って」
シキは何も言わずユリアスのネックレスをそっとユリアスの首にかける。そして、ナイフを両手に持ったままのキャルに近づいた。
キャルは冷たく笑みを浮かべる。
「この状況でもそんな歩き方をする、あなたがとても憎いわ」
シキは何も言わずにキャルの手からナイフを取り上げる。
「今後、ユリアスに近づくようであれば、私の持てる全ての力を使ってあなたを攻撃します」
キャルは何も言わず怯えながらシキを見つめていた。
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