□ epilogue □


「どこか遠くへ行きます。博士のような人物に見つからないような場所へ」

渋谷区にある赤いレンガ造りの館の門の前で、アレクはそう呟きながら空を見上げそっと瞳を閉じた。
空は青く晴れ渡り、夏の初めの柔らかな光がアレクを優しく包み込む。
「アリスと静かに暮らします。何十年先か、何百年先か、お互い朽ち果てるまで」
アレクはゆっくりと瞳を開く。
「でも・・・もし、もし博士の様な人物が僕たちを見つけだしたら・・・ユリアスさんあなた達に助けを求めても良いですか? 僕たちだけじゃ、抑える事が出来なくなったら」
ユリアスはアレクのその苦しそうな瞳を見つめ優しく微笑んだ。
そして、アレクの手にそっと何かを渡した。
アレクは手の中を見つめると、そこには直径3cmほどの淡い青色と白色が混ざり合う縞模様になっている。
「その石はね。「ブルーレース」と言って、護符用の石なんだ。アレクを保護し、危険から防いでくれるよ・・・ でも、もし、アレク達に何かが起きたとき、僕のことを強く想って。必ず逢いに行くから」

アレクは嬉しそうににっこりと微笑んだ。

 

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