□ scene1 □


太陽が足早に空から消えていく。
授業が終わった校舎には学生たちの姿は消え、日中楽しげな笑い声が響いていた教室も闇に包まれ
始めている。

「聖! そっちに行った」
「了解!!」

学生たちが去った静かな校舎の長い廊下に声が響く。
廊下の先に身構えていた清瀬が大きな声で応える。
そこへ飛ぶように勢いよく進んでいく影のような黒い塊。
塊は立ちふさがる清瀬の目の前でボールの様に大きく跳ねて清瀬の頭の上を通り過ぎる。

「マジかよっ!?」

清瀬が塊を追うように振り返る。
塊が向かう先には沢村の姿。

「・・・うそっ」
「先生!!」

沢村と学生たちの言葉が同時に響く。
次の瞬間、突進していく塊と沢村の間にイチハが現れた。

「先生っっ 今のうちに」

イチハが両手を広げる。
立ちふさがったイチハに向かって塊は勢い良く体当たりした。

「イチハっ!!」

沢村がそう叫んだ瞬間。
イチハが辛そうに叫ぶ。

「先生、逃げてっ、僕の力だけじゃ受け止めきれない!」

 

-scene2-

-back-