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太陽が足早に空から消えていく。
授業が終わった校舎には学生たちの姿は消え、日中楽しげな笑い声が響いていた教室も闇に包まれ
始めている。
「聖! そっちに行った」
「了解!!」
学生たちが去った静かな校舎の長い廊下に声が響く。
廊下の先に身構えていた清瀬が大きな声で応える。
そこへ飛ぶように勢いよく進んでいく影のような黒い塊。
塊は立ちふさがる清瀬の目の前でボールの様に大きく跳ねて清瀬の頭の上を通り過ぎる。
「マジかよっ!?」
清瀬が塊を追うように振り返る。
塊が向かう先には沢村の姿。
「・・・うそっ」
「先生!!」
沢村と学生たちの言葉が同時に響く。
次の瞬間、突進していく塊と沢村の間にイチハが現れた。
「先生っっ 今のうちに」
イチハが両手を広げる。
立ちふさがったイチハに向かって塊は勢い良く体当たりした。
「イチハっ!!」
沢村がそう叫んだ瞬間。
イチハが辛そうに叫ぶ。
「先生、逃げてっ、僕の力だけじゃ受け止めきれない!」
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