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誰もいなくなった暗い校舎から校門へと続く道。
4人はゆっくりと歩いている。
「でも、あの人型の白い影、一体何者なんだ?」
清瀬はポツリと呟き、話しを続ける。
「サッカー部にはそれらしい話しは無かったし、該当しそうなヤツもいなかった」
「また、明日調べ直すしかないだろうな」
日下部が清瀬の言葉にゆっくりと呟いた。
校門へ到着し、日下部は清瀬と同じ方向もあり2人で帰っていく。
それを見送りながら、沢村もゆっくりと逆方向へと歩き出した。
少し遅れて夕凪が沢村の後を歩く。
「あれ?夕凪くんってこっちの方向だった?」
「一応」
「じゃ、一緒に帰ろうか。って言っても僕の住んでいる所はすぐ近くなんだけどね」
にっこりと笑う沢村に夕凪は少しだけ視線を向ける。
「・・・知ってます」
静かな沈黙が流れる。
沢村は隣を歩いている夕凪をチラリと見つめた。
スラリとした姿に風に少しだけ靡く長い髪。
まっすく先を見つめる瞳。
「先生、通りすぎてます」
その言葉と同時に左腕を捕まれ、半分引っ張られるように止まる。
夕凪の視線の先には、それほど大きくもないが美しい白い10階建てのマンションが見えた。
「あ、ありがとう。それじゃ、気を付けて」
「はい」
ゆっくりと歩き出す夕凪。
「あれ? 夕凪くん、そっちは今来た道」
夕凪は今まで歩いてきた道を逆に歩き出している。
しかし、沢村の言葉に歩き出していた足を止めた。
そして、ゆっくりと沢村の方へ振り向く。
「・・・・。」
「? 何?夕凪くん? 良く聞こえない」
「・・・・体育館の時に私をかばってくれて、あり・がと・・う」
夕凪の言葉が風に乗って沢村の所へ届いた。
そして、夕凪は少しだけ俯き加減に歩き出す。
その言葉に沢村は嬉しそうににっこりと微笑んだ。
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