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「幸せになろう。ユキ。君は幸せになれるよ」
エドの口癖だった。
今はもうエドの優しい声を聞くことが出来ないけれど。
柔らかな日差し。
カーテン越しの太陽に眩しそうに目を細めながら、ユキは白いベッドの上で体を動かす。
相手を捜して延ばした手は、優しい寝息を立てる神矢の頬を触れる。
「・・・神矢」
そのユキの小さな声に神矢はゆっくりと瞳を開く。
「・・・・うん?・・おはよ・・・ユキ」
「・・・ごめん、起こした?」
その言葉に神矢は頭を横に振り、ユキの髪をゆっくりと撫でる。
「・・・嫌な夢でも見た?」
「・・・何で?」
「ユキ、泣きそうな顔してるから」
ユキは優しく微笑んでいる神矢の胸元に体を寄せた。
神矢はユキを優しく抱きしめ、優しく口づけする
「ううん。・・・何でも・・ない、ただ、エドの夢を見ただけ」
『ピロピロピロピロピロピロ・・・』
携帯電話の音が部屋の中に響いた。
神矢は枕元に置いてあった携帯電話を取る。
「はい。あぁ、ミヅキか。どうした?こんな早く。今日はオフだろ?」
『うん。少し問題が起こってね』
「・・・問題?」
『今、そっちにマネージャが車で向かっているから、事務所で詳しく話すよ』
「・・・お、おい? ミヅキ??」
神矢の慌てぶりをユキは不思議そうに見つめる。
「・・・どうした?」
「・・・切れた。・・・それより、松本さんがこっちに迎えに来ているらしい」
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