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「櫻子さん、いつも俺達の時間に合わせてくれて悪いな」
神矢が帰りの準備をしている櫻子に少し気恥ずかしそうに呟く。
「良いのよ。インディーズの時からのお付き合いじゃない。
お陰で素敵なインタビューが出来たわ。後日撮影の方もあるから、そっちも宜しくね」
櫻子はにっこりと微笑んだ。
そして、ちらりとユキの方を見つめ、神矢の耳元で囁いた。
「お互いの体温が感じられる場所が安心。ね。甘いラブソングを誰よりも先に聞かせて頂いたわ」
その言葉に神矢の顔がみるみるうちに紅潮する。
「さささ、櫻子さん?!」
櫻子は神矢の真っ赤な顔を見つめ、満足げに笑みを浮かべる。
「誰にも言わないわよ。じゃ、お疲れさまでした。ユキちゃんに宜しく」
「ちょ、ちょっと?! 櫻子さんっ」
櫻子は手をヒラヒラとさせながら、振り向くことなく帰っていった。
「・・・どうした? 神矢」
不思議そうにユキは神矢を見つめる。
「・・・いや、何でもない・・・と、思いたい」
「・・・なにそれ」
一週間後。
甘い甘いラブソング「奇蹟の宝石」が世の中を駆けめぐった。
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