□ scene1 □


幽霊屋敷。

その広いキッチン。
テーブルの上にはボールに入ったジャガイモ。
ユキはテーブルの近くに座り、足を組みながらジャガイモの皮をナイフで剥いている。
少し離れた部屋から繰り返し流れてくる優しいビアノの音色に耳を傾けながら
器用にジャガイモの皮を剥いていた。

「・・・作曲思うように進まないのかな」

そう呟きながらユキはボールに入っている最後のジャガイモを手に取った。
そして、大きなキッチンの窓からゆっくりと外を見つめる。

窓の外は紅葉の季節から落葉の季節へかわりハラリハラリと色づいた葉が舞い降りる。
ユキの瞳に舞い落ちる赤く染まった葉が映る。

「もうすぐ・・・冬が来る」

外を見つめるユキの瞳が曇る。


ユキの瞳に映る紅い葉は白い雪へと姿を変えた。

 

-scene2-

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