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「良い曲だろ? ってまだ途中なんだけど」
そのいつもの優しい神矢の微笑みにユキも微笑み返す。
・・・・・ポロン
神矢はグランドピアノの上に指を滑らす。
そして座っている椅子から体を少しずらして、ユキを手招きした。
「なぁ、ユキ。この家って完璧な防音になっているんだろ?」
ユキは神矢に促されるように神矢の隣に座る。
「この部屋は特にね」
「じゃあさ、あの時ユキが窓を開けてなかったら俺達は出逢わなかったって事?」
「・・・まぁ、そいういう事になるかな」
・・・・・ポロン
グランドピアノに指をそっと乗せながら呟くその素っ気ないユキの言葉に、
神矢は嬉しそうににっこりと微笑んだ。
「なぁ、ユキ。これって、もしかしたら・・・運命?」
「・・・・・。」
神矢は嬉しそうに微笑みながら、ユキの頬にキスをする。
ユキは神矢のその仕草に瞳を閉じながら大きな溜息をついた。
「・・・早く作りかけの曲仕上げろよ。終わらなきゃ・・・夕食抜き」
「うそっ、マジ?」
慌ててピアノ弾き出す神矢に、ユキはにっこり微笑んだ。
優しい秋の休日。
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