□ epilogue □


吸血鬼が住まう古城の噂は、瞬く間に幾つもの山と街を越えていった。
城を壊す噂が持ち上がっては、幾つもの大いなる力により壊すこと無く噂も消えていた。
古城もそのままの状態で静かに眠りについている。


リチャードはグレイの言葉通り、マリアを全力で最期まで見届けた。
ヴィンセントはどこかの街の教会で全てのモノを見守り続けた。
マリアは・・・
いつまでも美しい黄金の髪をなびかせながら、伴侶を求める事もなく短い一生を終える。
嬉しそうに微笑みながら。
「やっと、貴方に逢いに行けるわ」
最期にそう呟きながら。


ただ一人。


そして、誰もいなくなった古城からは哀しい猫の鳴き声がいつまでも聞こえていた。



END 2000/11/14


 

-scene9-

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