□ scene9 □


グレイを守るように最後の霧が太陽の閃光を覆い隠そうとするが、太陽の力に霧は掻き消されグレイの体を黒い灰に変えていく。
「駄目よ!城内に帰って、お願いよ!!」
マリアは瞳一杯に涙を溜めながら叫び続ける。
「・・・お願いっっ・・・・!!!」
グレイの体は城内へ戻る力も無くそのままテラスへ崩れ落ちた。

崩れていく意識の中でグレイは美しい青空を背にしたマリアを見つめる。
マリアのからは大粒の涙が溢れ、キラキラと輝きながらグレイの頬に落ちた。
「あなたと出会えた事が私の運命なんです」
手の先、足の先、そして美しい黒髪さえも残すことを許されず黒い灰へ姿を変えていく。
「・・・・こうなる事も運命だったのですよ」
「そんな運命なんて信じないわ!滅んで行く運命なんて!!・・・そんな運命なら、その運命ごとこの私が切り捨ててあげるから・・・」
マリアの黄金の髪は太陽の光に反射して美しく輝いている。
グレイの崩れた表情が微笑んだように見えた。

「あぁ、本当にキレイ・・・・ダ」

全身が黒い灰に変わり、サラサラと崩れ消えていった。
「お願い・・・こんなの運命なんて言わないで!!お願い・・・お願い・・・!!」


マリアの声にならない叫びが城の中に響いた。

 

-epilogue-

-scene8-

-back-