□ epilogue □


数年後
満月の夜


「ソフィア。ソフィア・ローゼンリッヒ。君を迎えに来たよ」
ソフィアは重たい瞳をゆっくりと開く。
そこには以前の様な強い意志は消え、瞳には光は映らない。

「・・・・だ・・れ?」

ソフィアは声の方へ視線を動かす。
月明かりに照らされた一人の姿が微かに映る。

青白い光に照らされても美しい漆黒の長い髪。
背中には大きな黒い翼。 そして青白く輝く鋭く尖った銀の角。


以前見た姿が重なって映る。


優しく微笑む漆黒の瞳。


「・・・ルシ・・・フェル?」


「いいえ、僕はルシア。サタン様の命により貴女を導きます」

ルシアはにっこりと微笑み、寝たままのソフィアの右手を優しく引き寄せた。
次の瞬間、ソフィアの体は宙に浮かびあがる。

「・・・?!」
「貴女はこれから魂の休息を行うため、魂の旅に出ます」

その言葉を耳にした瞬間、サタンとミカエルの姿が脳裏をよぎる。
そして、最後に耳にした言葉を思い出した。

「立ち止まらず光の下へ。二人の魂は光の下にある」

呟いたソフィアの言葉にルシアは優しく微笑んだ。



「では、参りましょう。光の下へ」



fin 2004/4/28


 

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