美味しくって、 面白っ! 食べ物の話(3)


11/10/22  “知る人ぞ知る”秘境のお菓子屋さん No622

「パワースポット」で有名な「分杭峠」に行く途中、南アルプスの山あいに「杉島」と云う小さな集落があります。道路も、ここでお終い、さらに奥へは、歩いて下さいよ!と云った地です。
所が、この山の中に、“知る人ぞ知る”自家製『ドーナツ万十』、『やわらかカリントウ』を扱うお菓子屋さんがあるのです。(外にお店は、何んも無い・・)
おサルさんか、シカさんでも買ってくれないことには、ご商売が成り立たないのでは?、と心配してしまいそうな秘境に。

ですが、このお菓子屋さん、『ドーナツ万十』、『やわらかカリントウ』を求め、遠路、お客さんがおいでになるのです。実は、私たちも、家から往復60キロもかけて。。。

肝心の菓子のお味はと云いますと、一度食べたら忘れられない濃厚さ。
この地は、かって山仕事をされる方が多かったのでしょうが、そんな労働をされた後に、ピッタリのお菓子だと思います。
ただ、メタポの方は、食べ過ぎには注意しましょう!カロリー過多かもしれませんので。

今、鉄道マニアの間では、秘境駅がブーム。JR飯田線の「小和田」「中井侍」「為栗」などは、人気秘境駅として、賑わっているそうです。
もしも、秘境商店なるものがあるとすれば、このお菓子屋さん・・・、いの一番に取り上げられそうな秘境のお店です。

長さ10センチはある
巨大な『やわらかカリントウ』

《余談》南信州の飯田地方では、
「カリントウ」を、カミキリムシの幼虫と同じ「ゴトウムシ」と呼ぶことがあります。

山間部にあるお菓子屋さん
『ドーナツ万十』が一番の人気
肉体労働をした後には、ピッタリ

11/7/11 『高橋まゆみ人形館』と、『富倉そば』  No602

奥さんのお供で、飯山市にある『高橋まゆみ人形館』に行って来ました。
今人気の観光スポットと云う事で、いささか小さめの館内は、人、人、人で大熱気。
この時期、暑さ対策をされて行かれるのがベターかもしれません。
展示されているのは、農村の「じいちゃん」や「ばあちゃん」や「子ども達」。
昔は、こんな生活をしていたのかなあ〜と、想像を掻き立てられるような人形達でした。
★下は、昼食で頂いた、幻のそば『富倉そば』です。

ぼっち盛りにされた『富倉そば』
つなぎにヤマゴボウの一種、"オヤマボクチ"と呼ばれる葉を使っているのが特徴。
冷麺に似たツルツル感がある。


『富倉そば』を頂いた「はしば食堂」さんは、
飯山市内より新潟県新井へ抜ける国道292号線を約20分ほど山間部に入った小さな集落にあります。
青いトタン葺きの家が、傾斜地に貼り付くように建っており、ゆっくり、絵を描きに来たい場所です。


08/4/26 面白い蕎麦屋さん 山形村 No.371

先日、駒ヶ根市観光協会主催のPhotoコンテストのおり、写真家 「津野祐次」さんから、こんな話をお伺い致しました。

写真の審査で、『美しい!写真』という事は、一つの選択要件になりますが、『面白い写真』というのも、大事な選択要件の一つなのだそうです。
では、どんな写真が『面白さ』のか、具体的なお話はなかったのですが、「この写真、笑っちゃうよねえ〜」といった次元の話しではなさそうです。 (あたりまえ・・・)

お蕎麦屋さんを選ぶ場合も、どうも、写真の審査基準に似ているような気がするのです。
まず、お蕎麦屋さんを生業として、やっている以上、『美味しい』のは当然ですが、やはり、プロとして、『面白い』とか、何か、「プラス アルファ」ーが欲しいですよねぇ〜・・

こんな条件に合致したお蕎麦屋さんの一つが、山形村蕎麦集落にあります。
前にも紹介させて頂いたことがありますが、その名は、「からさわ屋」さん。(左上の写真)
では、「からさわ屋」さんのプラス アルファーは??
それは、見ての通りの時代がかった建物の古さです。。。

その古さ、中途半端ではありません。 NHK大河ドラマ「篤姫」時代までとはいいませんが、古色蒼然たるスゴ〜イ古い建物なのです。
もう、「参りました!」と、白旗を上げざるを得ない建物の古さです。
ま、こんなに、建物にお金をかけない?蕎麦屋さんが、一軒ぐらいは、あっても良いかもしれませんが・・・
そうそう、室内に、数学者「広中平祐」さんの【からさわや 田野のなつかしい味 素心とは まさにこれ】と詠まれた色紙が掲げられていました。(広中平祐さん、食べに来られたのですね・・・)
※一人前1000円(二枚)・皿盛りが美しい。


08/2/6 鴨が“ネギ”背負ってくる No.357

“鴨南蛮”を食べたいなあ〜!と思っていました所、ラッキーにもスケッチ会のおり、そのチャンスに恵まれました。

何んで、スケツチ会に鴨南蛮なのと云いますと、メンバーの中に、「絵より蕎麦大好き人間?」が大勢おいでになりまして、「寒い時期、何たって鴨南蛮だよね!」と、絵の前の
腹ごしらえに、「とりあえずビール、いや、鴨南蛮」になったのです。

お目当ては、伊那市郊外国道361号権兵衛トンネル付近のお蕎麦屋さん。
お品書きには、『ざる鴨そば』と、『かけ鴨そば』の二種類の“鴨南蛮”がありました。
私は、前者の『ざる鴨そば』を注文。。しばらくして出てきたお蕎麦が、上の写真です。

冷たい水でしめられた「ざる蕎麦」と、熱々の湯気が立ちのぼる「鴨汁」です。(湯気が上手く写ってます)
蕎麦を、鴨汁に浸して“付け麺風”に頂くのですが、冷たい「ざる蕎麦」と、温かい「かけ蕎麦」が、一度で味わえ、とってもお得で、魅力的なお蕎麦でした。
「一度で二度美味しい!」とは、このことですね。

ところで、“鴨南蛮”の南蛮という言葉、南蛮人とか、南蛮貿易とか、エキゾチックな響きがありますよね。
この南蛮とは、“ネギ”のことなんだそうです。(蕎麦屋さんの話し・・ )
「鴨がネギを背負って来る」といいますが、鴨に“ネギ”は、付き物なのですね。  
※ざる鴨そば(一人前二枚)・・・1.500円

鴨南蛮に使われる合鴨は、稲の生育時、水田に離し、雑草を食べさせ、
除草剤の使用を減らす『合鴨農法』
にも貢献しています。

テレビの「 DASH村」で、その様子が放映されていました。

雪にも負けず、元気な働き者の合鴨

08/1/30 女学生さんを描く No.356

信州高遠美術館で開かれるアートスクール作品展への搬入が間近に迫り、「♪いつものよ〜うに」大慌てで、一枚仕上げました。
何事にも、ギリギリにならないと出来ない私・・・

左がその作品なのですが、モデルさんは、学校の先生のお嬢さんで、なんと、現役バリバリの「女学生さん」です。

一方、絵を描く 私たちアートスクールのメンバーといいますと、とうの昔「女学生」だつたり、「男子学生」だったりする
“おばさん”、“おじさん”です。

絵の会場の雰囲気も、「良いわね〜、若いって・・・」、
「私達も、あんな時があったのよね〜」と、まさに、「綾小路きみまろさん」御寵愛(ごちょうあい)の“おばさん”状態です。

「大きな可能性を秘めた かの女学生」・・・
「怠惰(たいだ)なる日々を送った おのれが 青春」・・・

絵を描きながら、チョツピリ、「詩人」になっていた私です。(うそ〜・・・)

余談・・・アートスクールのお楽しみの一つに、昼食時に、皆で味あう
「満月麺」があります。
高遠町の古い町並みの中にある【満月・ 中華 】の一品なのですが、
寒いこの時期には最適です。
酢をかけて頂くと、また、美味さが増すように思えます。
★ 「満月麺」・・700円

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