MRさん(仮名)からこんな依頼を受けた。
私は留学を考えています。それが来来年になってもいいから。けれど、結婚する年になって、そんなことを?と言われます。いい年ですもんね、それは。今は結婚を考えていないけど、私だっていずれはしたいと思っていますよ。ただ、留学することよりも自分には即、結婚する方があっているのかな〜と思うこともあり、不安です。何にでも時期があるとは思うんですけれど。選択を迷っています。どうか、占ってください。
実は気になる人はいるんですが、アプローチしてみたけどいまいち反応がないです。気付いていないのかな。できればこちらは追加で占って頂いてもいいですか?
もし留学すれば、今結婚のことで悩むことは意味がないでしょう。まして、今気になっている人との交際も難しくなります。あるいは結婚するならば、留学はあきらめ、まず解決しなければならないのは、気になる彼への気持ちでしょう。
そういった意味で、今回のご質問を別々の問題として占うことの方が、むしろ難しいのです。
1度きりしかない人生には、真実も一つだけです。「もしも」はありません。
今、MRさんに何が必要とされているのか、それを知るために、ケルト十字法で10枚のカードをめくることにします。
MRさんの占い結果をご覧ください
まずは現状を示すカードから見て行きます。
左側の十字の中央のカードをクリックしてください。
「カップのエース」
夢を示すカードです。
はたしてそれは、留学への夢なのでしょうか。
それとも、結婚願望なのでしょうか。
あるいは、気になる彼のことでしょうか。
カードの上に舞い下りるハトに注目しましょう。
そのハトは、MRさんに幸福をもたらします。
MRさんにとっての幸福とはなんでしょう?
それが、MRさんの未来を占う鍵を握っています。
その左にあるカードをご覧ください。
MRさんの幸福を妨げるものを示します。
「ペンタクルスの3」
「仕事」がキーワードになるカードです。
仕事上での知り合いである「気になる彼」は、MRさんの人生を狂わす原因となるでしょう。
少なくとも今は、彼を仕事上のパートナー以上の存在としてとらえることは避けた方が良さそうです。
また、留学の理由についても、デザインの仕事と結び付けて考えるのではなく、もっと、海外そのものに対する興味が先にあるべきです。
そのため、もし留学するならば、その数年間をまったく無駄に過ごす覚悟さえ必要になるでしょう。
遊び感覚で今からの数年を過ごし、30代を迎えてから仕事や結婚を考えても大丈夫だというなら、留学を選択してもよいでしょう。
そのくらいの気持ちがなければ、あとで後悔することになります。
上にあるカードをご覧ください。
MRさんの気持ちを示すカードです。
「棒の2」
手にした棒は理想を示し、反対の手の地球は世界を、遠くを見つめる目は海外への夢を示します。
そして、そこに描かれた人物の立つ城は、強い決意を示します。
つまり、すでにMRさんの気持ちは留学への決意が固まりつつあるのです。
ただ、これは頭の中だけの理想がその気持ちを決めているのであって、本当に自分が求めているものなのかどうか、実は自信がありません。
その自信を揺るがす原因となっているもう一枚のカードが、
「カップのキング」
十字形の一番下のカードをご覧ください。
これは明らかに結婚への強い願望を示すものです。
表面上は、「そろそろ適齢期だから」と自分の年齢のせいにして、あまり結婚には興味を持っていないかのように取り繕っていますが、実は、仕事や留学などの事よりも、「結婚」がMRさんの人生の最大の目標だと言ってもいいくらいに思っています。
ここに描かれたキングは、MRさんの理想の男性像を示し、優しくてたよりがいのある男性を描いています。
おそらく、気になる彼のイメージと、この「カップのキング」のイメージは重なるのではないでしょうか。
この2枚のカードのどちらが、MRさんの未来を導くのでしょうか。
MRさんの潜在意識を示す「カップのキング」はMRさんの本来の姿なのですが、「棒の2」の決意は、願望に勝ります。
よほどの事がない限り、MRさんは留学への道を選ぶでしょう。
それならば、この時点で、結婚や、気になる彼のことは忘れることになります。
少なくとも彼との関係については、「ペンタクルスの3」が出ているので、かなり望み薄です。
では、カードが示す未来のMRさんの姿を確かめてみましょう。
十字形の左手のカードをご覧ください。
「剣のペイジ」
雲は海外をイメージさせるので、留学の象徴と考えましょう。
ペイジはクリエイティブな物事の象徴です。
また、不安定な状況も同時に示していますが、そこに「剣」の属性が入ることで、やや苦悩した表情を見せています。
つまり、MRさんは留学を果たす事になると思うのですが、そこではなかなか自分の思っていたようには勉強がはかどらないことをを示しています。
多くの障害があるので、その中で、自分が求めていたものを得ることはとても難しくなるでしょう。
しかし、それでもMRさんは留学を選択します。
それは、留学によって得るべき物が、MRさんの求めていたものだけではないからです。
留学し、それら未知のものを得ることが、MRさんにとっての運命なのです。
その運命に逆らうか、従うかは、もちろん今でもMRさんに選択権があります。
何がMRさんにとっての「幸福」となるのか。
最初のカードに描かれたハトとともに、一度ゆっくり考えてみましょう。
結論に達するためのヒントとなるカードがいくつかあります。
右側の縦に並んだ4枚のカードを見て行きましょう。
一番下のカードをご覧ください。
「カップの3」
MRさんの立場を示します。
喜びや楽しみを示すカード。
MRさんの幸福の基本となるものです。
はたして、「気になる彼」と付き合うことで、MRさんに喜びや楽しみがあるでしょうか?
それは、「恋」に対するスリルを楽しむことにはなるでしょうが、単なる遊びに終わってしまいます。
「結婚」することにどれほどの喜びや楽しみを感じるでしょうか。
これに関しては、「カップのキング」にも出ていたように、MRさんにとっては最も幸福感を味わえる選択肢だと思います。
「留学」には喜びや楽しみがあるでしょうか。
おそらく、そこには不安や苦しみが多く付きまとうでしょう。
しかし現実にそうであるとは限りません。
実際に海外の地に降り立ったときに、今まで思っても見なかった「何か」があるかもしれません。
それが、「喜び」や「楽しみ」かもしれません。
ここでアポロが曖昧な言い方しかしないのは、MRさんに自分の気持ちを良く確かめてもらいたいからです。
一つ一つ自分の気持ちを確認していくうちに、何が自分の求めているものなのか、未来のビジョンが少しずつはっきりしてくるはずです。
そのつもりで、さらに次のカードを見て行きましょう。
下から2枚目のカードをご覧ください。
「棒の5」
周囲の状況を示すカードです。
争いや反発を示します。
おそらく気にしていたご両親の反対を意味しているのでしょう。
何年たとうと、ご両親の気持ちはあまり肯定的にはなりそうもありません。
たとえ言葉の上では「OK」が出ても、なかなか心から安心して送り出してくれるということはなさそうです。
周囲の言葉を気にしていては、留学などできないでしょう。
本当に留学を望むのであれば、ご両親を説得するために時間を費やすのではなく、切り捨てるくらいの気持ちが必要です。
さらにその上のカードをご覧ください。
「魔術師」
今後の変化やMRさんの立場を補足します。
このカードはとても男性的なカードで、自立や独身、意思決定、行動力を意味しています。
これは「結婚」とは結びつかないカードなので、MRさんが気にしている「結婚の時期」はまだすぐには訪れないことを意味します。
結婚は、MRさんが独身のうちにしなければならないことをすべて終えたときに自然にチャンスが訪れます。
独身のうちにできることには、留学はもちろんですが、恋愛もその一つです。
結婚を考える前に、恋愛をもっと楽しむことも必要です。
年齢のこともあるかもしれませんが、できれば結婚を意識しない気軽なお付き合いをもっとしてもいいと思います。
「気になる彼」との恋愛も、結婚を考えなければ案外悪くない選択かもしれません。
さて、少なくとも「結婚」の2文字は消えました。
その上にあるカードは、留学に対するMRさんの決意を
より固めることになるのか、あるいは・・・。
「ペンタクルスの6」
利益を示すカードです。
しかし、それは今ここで詳しく説明する必要はないと思います。
MRさんは留学します。
そこですばらしい利益を得て帰国し、それを生かした新しい人生を歩む事ができるようになります。
最後にもう一枚、過去を示すカードが残っています。
十字形の右手のカードをご覧ください。
「星」
形のない夢や願望の象徴。
せっかくいままで温めてきた大切な夢。
その過去が真実であるなら、未来に夢を実現させることで、意味のある人生となるでしょう。
留学への夢、実現させましょう。
以上で10枚すべてのカードを読み終わりました。
カードはMRさんの人生に決断を下すことはしません。
ここではMRさんの運命をそのまま示したにすぎません。
最終的な決断はMRさん自身にまかされます。
留学せずに結婚の道を選んだとしても、それはそれで良いことです。
その決断のあとに、また新しい人生が待っているのですから。
MRさんのもとにハトが舞い下りることを祈ります。
© 1997 アポロのタロット占い