アポロのタロット占い

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Tarot FILES #35


TKさん(東京在住40代男性)からこんな相談を受けた。

自分は独身のゲイです。今のところ特定の恋愛相手は不在で、積極的に恋愛したいという気持ちもそんなに無いのですが、一人だけ会いたい(再会したい)という男性がいます。かなり以前(10年前以上か?)、実姉の職場(姉は教育関係者です)で初めて会って少しだけ話しただけで、それっきりでしたが、何故か印象に残る人でした。後で別のルートから彼もゲイだということを偶然に知り、驚いてもう一度会ってみたくなったものの、連絡の手だても分からず(名前を聞いていなかったのか、覚えていないのです)、それっきり会えなくなってしまいました。その後は思い出さなくなっていたのですが、つい最近彼のことがまた気にかかるようになり、また会えないものかと考えるようになりました。再会したからって、親密な関係になれるとは限らないのでしょうが、果たして再会の可能性はあるのか、見て頂きたく思います。

彼との再会の可能性について占います。

ケルト十字法で10枚のカードをめくります。

カードの示すままをお伝えしましょう。

TKさんの占い結果

1枚目のカードは現状、あるいは質問内容自体を示します。

カップの10」が出ています。

10個のカップが浮かび上がる虹が描かれています。その虹を見上げる人がいますが、これは今のTKさんの心境を表しているのでしょう。幻同然の虹の中に彼の姿を見ているのです。手の届かない虹にあこがれる気持ち。それが今のTKさんの気持ちですね。


2枚目は障害を表します。

剣の6」が出ています。

水面に浮かぶ小さな舟の上に子供と女、舟をこぐ男と、6本の剣が描かれています。水は心。魂の象徴です。TKさんの今回の相談の背後には、この心の問題が隠されているようです。彼に会いたいという気持ちが表面に現れてはいますが、実は、彼とは関係なく、今の環境を変えたいというような欲求がこのような形で現れているようです。何かから逃げ出したいと思っているようでもあります。現状に何か不満を抱いているのかもしれません。


3枚目は表面に現れていること。顕在意識を示します。

I 魔術師」が出ています。

1という数字から見れば、何かを始めようとする意志、新しい出発というようなことが言えます。彼と再会し新しい恋を始めたいという気持ちとして解釈できます。占いとしてではなく普通に考えれば、彼との再会は実際には現実的ではないといえます。しかし、TKさんは、それを現実のものとして考えようとしているわけですが、その裏には、先ほどのカードに示された心の問題が隠されているのです。


4枚目は隠されているもの。潜在意識を示します。

XIV 節制」が出ています。

ここにも、水が描かれているのが見えるでしょう。天使の右足は泉に浸されています。両手のカップの中の水は、一方から反対側へそそがれています。今の器から、別の器へと、そっくり環境を変えてしまいたいというような願望と解釈することもできます。天使の背後の道は遠くの世界まで続き、その先に光り輝く物体が描かれています。道の先にある彼の存在を暗示しています。彼の存在が潜在的にTKさんに影響を与えていると同時に、心の問題を解決するためのヒントもそこにあるのです。

TKさんは、彼のことを思い出している今、すでに心の中で彼と再会を果たしているのです。その意味を、よく考えてみる必要があるかもしれません。


5枚目は過去を示します。

カップのクイーン」が出ています。

「節制」の中で天使が手にしていたカップが、過去の中で描かれています。あまり深く考えずに、彼の思い出を象徴したものと解釈してもかまわないでしょう。そう考えると、「節制」の中で別のカップに移しかえられていたのは、TKさんの内面で、彼の思い出と別の気持ちとがすりかえられ、「彼に会いたい」という気持ちとして表面に現れたのではないかと推理できます。


6枚目は未来を示します。

棒の4」が出ています。

4本の棒で作られた門。その向こうに手を振る人と、城が見えます。城は虹とは反対に現実的なものの象徴です。門の向こうには現実的な世界があるのです。そこで手を振るのはTKさんが再会を望む彼でしょうか?このカードを見ただけでそれ以上の判断をすることは占い師には許されていません。TKさんは、自らこの門をくぐって、その先にある世界へ踏み出す必要があるのです。


7枚目はTKさんの立場を示します。

ペンタクルスの7」が出ています。

ペンタクルスは城と同様に現実的なものの象徴です。ここでは豊富に実った野菜や果物の実のようなものとして描かれていますが、生活の糧となるもの、仕事などが充実し、満たされている状態を表しています。ただ、ここに描かれている人物は、それに満足しているように見えるでしょうか?どうも、せっかく恵まれた収穫が得られたというのに、気持ちは上の空といった感じです。日々の生活の中で、何か物足りなさを感じているのかもしれません。TKさんが求めているのは、ペンタクルスではなく、カップだからです。


8枚目は周囲の状況を示します。

VI 恋人」が出ています。

男女の運命的な出会いを暗示します。ゲイであれば男男として解釈しても問題はありません。彼との出会いは運命的に予定されていると言ってよいでしょう。いつごろかという問いは愚問です。それは目前に迫っており、TKさんさえ望めば、今すぐにでも訪れるでしょう。ただし、それがじっとしているだけで訪れるかどうかは疑問です。寝ているだけでは運命も動かないでしょう。彼に会うために、できる限りのことをすべきです。「会える」事が運命というよりも、「会う」事が運命だと思うべきでしょう。

そう、あの、未来の門をくぐるのです。虹を見上げているだけではだめなのです。もう、彼に会うことをためらうことはありません。


9枚目は彼を示します。

棒のキング」が出ています。

TKさんは(カップの)クイーンで、彼はキングということでしょう。「棒」は意志や目的の象徴です。情熱や活動力も表します。彼の持つ棒が、TKさんに「生きる意味」を与えるでしょう。彼の存在理由はそこにあります。TKさんには、彼自身ではなく彼の持つ棒が必要なのです。それが、彼との恋愛という形の中で見つけ出せるのならそれもよいでしょう。しかし、それだけにとらわれすぎると、いつまでも本当の目的を見出せないまま、永遠に迷い続けることになりかねません。

彼との再会が絶対に必要だというわけではないのです。この、今の気持ちをきっかけに、彼の持つ「棒」の意味に気づくことができれば、それでよいのです。10年も昔に彼が与えてくれた、「生きる意味」のヒントを、思い出してみるのもいいでしょう。


10枚目は最終結果です。

ペンタクルスの9」が出ています。

豊富に果物が実る庭園の中に立つ女性が描かれています。遠くには城も描かれていますが、この庭園は城主の持ち物であることを表しています。城のある世界の住人となったTKさんを描いているようです。TKさんの立場は「ペンタクルスの7」からあまり変わっている様には見えませんが、意識の向きが変わっています。「7」ではペンタクルスに向けられていた意識が、「9」では腕の上にいる小鳥に向けられています。小鳥もまた魂の象徴。TKさんは、心の問題を解く鍵となる小鳥を見つけるでしょう。その小鳥が、これから先のTKさんを導いてくれるはずです。

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