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Tarot FILES #53

虚言癖 - XVIII 月

2005-08-29T11:50:39+09:00


UFOや幽霊、天使や妖精などを見たとか、気やオーラを感じるとか、本当は見てもいないのに「見た」と言う人がいます。そういう発言を一度してしまうと、見ていないはずなのに実際に見たような気がしてきて、想像に過ぎないことを現実だと思い込み始める。もうそのときには最初からずっと見えていたと自分でも信じて疑わなくなってしまう。

科学的に実証できない現象をすべて「虚言癖」と決め付けてしまうのは偏見だと言われてしまうでしょうが、実際のところ、そのほとんどが「嘘」であることは間違いないと思います。

人間の脳というのは、想像に過ぎないイメージと現実の区別というのは非常に曖昧で、実際に見ていなくても「見た」と思い込んでしまうことは極ありふれたことなのです。ロールシャッハテストのように無意味なインクの染みのような模様に意味を見出してしまうのが人間なのです。

頭の中で想像しているだけの段階ではまだ寝ているときに見た夢と同じレベルで現実との区別もしやすいのですが、一度それを言葉にしてしまうと突然世界が変わり始めます。パラレルワールド理論で説明した「収束」が加速されるわけです。

ただ、「嘘」によって生じたパラレルワールドはなかなか自分の思考の外側の世界にまでは浸透しにくいのでしょう。自分の中では実在するはずのものが周囲にはなかなか認められない。だから必死になって自分で証拠を探し回って、ますますムキになってあちこちで発言しまくるようになる。超常現象研究家がでしゃばりなのはそういうことなのでしょう。彼らは真実を訴えたくて声を張り上げているのではなくて、自分が他人に認められたいだけなのです。

こころに寂しさを感じているときは嘘によって他人の注意を引こうとしがちです。他人に認められたいという願望(欲望)は、最近では「自己実現」という言葉で説明されていますが、それは人間の本能的なものです。その願望が正常に満たされていないと「虚言癖」などの症状(虚言症、ミュンヒハウゼン症候群等)として現れてきます。「嘘」は病気なのです。

その昔、西洋では多くの女性が「魔女」として迫害されたこともあったようですが、そういった事も女性蔑視の性差別がもたらした悲劇だったのでしょう。女性たちは自分の居場所を得るために魔術的な力(霊能力)を身に着けようとした結果、魔女という偏見の目で見られるようになってしまったのではないでしょうか。

女性は現代になってもまだまだ社会的には差別されがちで、多くの女性にとって自己実現が困難な状況が昔から続いています。女性が社会的に認められるためには何か特別な能力が必要だったのです。例えば霊能力のように人には見えない霊を自分だけには見えるということにしておけば誰にも嘘は見抜けません。霊能力があるという嘘は非常に都合が良いものだったわけです。女性に(自称)霊能者が多いのはそのためなのかもしれません。テレビなどに出ている霊能者と称する人たちを見ていると、とても寂しそうなオーラを感じます。

「オーラを感じる」なんて言ってしまう私の発言も嘘に見えますか?

誤解を生じやすいので使い方には気をつけなければなりませんが、「オーラ」とか「霊」という言葉で「見えないもの」を表現しているだけならいいと思います。あまり「見える」ことを強調し始めると危険ですけどね。

大切なのは、そこにオーラや霊のような何かが存在することではなくて、そこにある人のこころの動きを感じ取ることです。

嘘をつかなければならない人は こころ の中で誰かに助けを求めているのです。そんな彼らを許し、救いの手を差し伸べてあげられたらいいなぁと思っています。

XVIII 月

XVIII 月

闇の中に映ろうおぼろげな影におびえるオオカミ。

月は女性の心理も表しています。

「ウ・ソ・ツ・キ(嘘月)」ですね。



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