アポロのタロット占い

> FILES > その他未分類 >

Tarot FILES #70

時を占う

2005-09-29T18:16:39+09:00


相談者の希望により実例として公開することはできないのですが、ある占いにおいてかなり特殊な結果が出てしまったので驚かされたことがあります。どんなカードが出てもたいていのことでは驚かない私が動揺したのですからかなり珍しいことです。

以前にも私は時を占うことに関しては慎重であることをお話したのですが、その依頼もまさに時を占うものでした。相談者とは何度もメールのやり取りをして時を占うことに関する私の考え方について念を押して説明し、その覚悟をしっかりと示していただきました。相談者は「どのような結果でも受け止めます」とのことでした。

タロットカード: カップの9

相談内容は死ぬまでの間にあることが実現するのはいつごろかというものでした。私は78枚全てのタロットカードを用いて、1枚のカードを1年とみなす占いをしました。ウィッシュカードである「カップの9」が出た年が「実現の時」となります。

仮に相談者が30歳ならば、理論的には107歳までの期間を占えることになります。非常にシンプルな占いですが、タロットカードで遠い先のことまで占うには最適な方法です。

1枚ずつめくってゆき、ウィッシュカードが出たところで終わるつもりでした。ところが、いつまでたってもウィッシュカードは出てきません。とうとう最後の1枚になってしまい、間違いなくその最後のカードが「カップの9」でした。つまり、その人の夢の実現は「107歳のとき」ということになるのですが、最後のカードだけは特別で、それ以降の全ての時間を含みます。つまり、現実的な解釈をするならば「実現不可能」ということになってしまいます。

相談者としては自分にとって「励みとなるだろう」という期待があって占いの依頼をしてきたのです。しかし、「どのような結果でも受け止めます」と覚悟した以上は、「実現不可能」という結果を受け止める覚悟も最初からなければなりません。

これではとても励みにはなりそうもありませんが、私は「これはカードからの特別なメッセージなのだろう」と考えました。

その時を「待っているだけでは実現はありえない」という運命を受け入れることで、初めて自らの意志で「実現させよう」とか、「行動しよう」という気持ちが出てくるのではないでしょうか。

いつごろ実現するかわかれば「励みになる」というのは、実は相談者が現実から逃げようとする「言い訳」に過ぎなかったのだと思います。運命によって実現は約束されてはいない。自らの人生は自ら切り開くものだという教訓が、この占い結果に込められていたのだと思います。

この結果は一生その夢が実現できないという意味ではなく、その人さえ望めば明日にでも実現のための一歩を踏み出すことができるということを意味していたのだと思います。一歩を踏み出す前にあれこれと悩んでいても、何も始まらないということですね。

占い結果を受け止める覚悟とは、そういうことなのだと思います。

もちろん今回のようなケースは特別で、人によっては実際に時期が明確になることでそれを励みに前向きに努力できる人もいるでしょう。あくまでケースバイケースであって、全ての人に今回と同じようなことが言えるわけではありません。それは占ってみるまではわからないでしょうね。

カードの語る言葉に耳を傾けてみましょう。

実を言うと、ウィッシュカードが最後のカードだったことで少しホッとしたのも確かです。もし、後ろから2番目とかだったら本当に106歳ごろという解釈しかできなくて逃げ道がなくなってしまいますからね。最後のカードだからこそ特別な解釈ができたのです。私が驚いたのは、カードがこのようにして的確に相談者の運命を示してくれたからです。

★


© 1997 アポロのタロット占い


★