一枚目は現状を示します。
「ⅩⅥ 塔」が出ています。
塔に雷が落ち、人々が地上に落下してゆきます。
塔はBさんと同棲中の家を表します。雷はトラブルや予期せぬ出来事を表しますが、それによって二人とも家を失うことになるという意味になります。
今回の場合、外からやってきたトラブルの元はCさんです。Cさんが現れたためにAさんとBさんは別れることになるということです。
別れ話をしても受け入れてもらえないということですが、AさんとBさんとの間にはもはや修復困難な亀裂が生じているはずです。
二枚目は障害を示します。
「Ⅳ 皇帝」が出ています。
皇帝は男性を示すカードです。Aさんにとって、Cさんとの結婚の障害となる男性ということであれば、この皇帝はおそらくCさんの旦那さんを示しているのでしょう。
彼の厳しい態度は、そう簡単にはCさんとの離婚を承諾しようとはしないでしょう。
しかし、そのような彼の支配的な態度がCさんに負担をかけているとも考えられます。
彼から逃げ出したくて彼女はAさんと付き合うようになったのかもしれません。
三枚目は目に見えるもの、意識していること。
「ペンタクルスのキング」が出ています。
経済的に余裕のある男性を表します。
Aさんが自分の地位に自信を持っているということなのか、あるいはその逆で、現在同棲中の彼女との関係を清算するための慰謝料の心配でもしているということなのでしょうか。
いずれにしても、少し自分のことを考えすぎで、相手に対する愛情などにはやや欠ける面がありそうです。
四枚目は隠されているもの、潜在意識。
「ⅩⅩⅠ 世界」が出ています。
裸の女性が緑の環の中で踊っています。その周囲には四体の獣がいます。
中央の女性はCさんです。周囲の獣は彼女を取り囲む男性を表しています。一人は旦那さん。一人はAさん。そして、まだ他にもいるようです。
彼女は自分の魅力を多くの男性にアピールしているようです。緑の環の中は安全な今の境遇を表し、まるでそこから自分を解き放ってくれる男性が現れるのを待っているかのようにも見えます。
彼女にとっては、Aさんは利用価値のある多くの男性の中の一人に過ぎないのかもしれません。
五枚目は過去を示します。
「Ⅵ 恋人」が出ています。
エデンの園に立つアダムとイブ。二人を祝福する天使。イブを誘惑するヘビ。
そこは楽園。アダムがAさんなら、イブはBさんです。ここにいるのはCさんではありません。なぜなら、Cさんは現状のカード「ⅩⅥ 塔」の中で雷として描かれているからです。彼女の出現によってAさんは不倫という罪を犯し、楽園を追放されることになります。あえてたとえるならば、Cさんはサタンの化身としてのヘビということになるでしょう。塔から人が落ちる姿は「失楽園」を意味していたと言えるでしょう。このまま人は、堕落の一途をたどるのでしょうか。
六枚目は未来を示します。
「棒の8」が出ています。
八本の棒が、空を流れるように飛んでいます。
それは、別の環境への移行を暗示しているかのようです。Bさんを捨て、Cさんの元へ向かうということなのでしょう。
そこに描かれているのが「棒」のみで、人物が描かれていないのは、人々の思いに関わらず、時は流れ、状況が次々と変化していくことを暗示しています。
Bさんとの話し合いが十分にまとまる前に、Aさんは行動に出てしまうということなのかもしれません。
七枚目はAさんの立場を示します。
「棒のペイジ」が出ています。
棒を持った旅の少年が描かれています。
その少年が会いに行くのは一人の女性であるはずなのに、なぜか彼は手にした棒を愛おしそうに見つめています。
Cさんと一緒になる(結婚する)ということばかり意識してしまい、Cさん本人のことを真剣に想う気持ちを疎かにしているようにも見えます。
Aさん自身は彼女のことを本気で愛していると思っているかもしれませんが、その気持ちの中心に本当に彼女がいるかどうか、自分自身の心の内をよく確かめてみたほうがいいかもしれません。
八枚目は周囲の状況。
「剣の8」が出ています。
沼地に立つ女性。目隠しをされ、体を縛られています。周囲には八本の剣が立てられています。背後には大きな城のような建物が見えます。
塔を追われたBさんの末路でしょうか。まるでいけにえのようです。行くあてもなく、生きていくすべもない。このまま泥の中に埋まって、朽ち果ててゆくのかもしれません。
Aさんを失った彼女には、他に守ってくれる男性はいないのでしょうか。
九枚目は願望。
「棒の6」が出ています。
勝利者が白馬に乗って行進しています。
手にした棒の先には、「緑の環」がくくりつけられています。それが彼の戦利品。緑の環は、四枚目の「ⅩⅩⅠ 世界」で女性の周りに描かれていました。
彼女を得て勝利者となりたい。
それがAさんの願望です。Aさんの願望はあくまで、自分が「勝利者」となること。
つまり、彼女を愛するがゆえに求めているのではないということになります。
十枚目は最終結果。
「ペンタクルスのクイーン」が出ています。
森の中に据えられた椅子に座るクイーン。
彼女のひざの上には金色のペンタクルスが置かれています。それは、「ペンタクルスのキング」であったAさんからの贈り物でしょうか。
あるいは、彼女の妊娠を暗示します。それは、Aさんの子供を宿すということになるでしょう。
お互いの年齢を考えると、今から妊娠ということはあまり考えられないのですが、それに近い結果になるだろうとは思われます。
もう少し現実的な言い方をすると、Cさんは、Aさんとの関係の中で何か「大切なもの」 を得るということになるかと思います。
彼女が椅子に座ったままなのは、結局離婚することができず、今の家庭を守っていくということなのかもしれません。
Aさんとしては、彼女との結婚を考えるよりも、今のままの関係でも彼女を幸せにするにはどうしたらいいのかといったことを考えるべきなのかもしれません。
将来結婚したら幸せになれるとは限りません。
それよりも、今どれだけ愛し合うことができるかということの方が大切です。
結婚とは、そういう愛の結果として導かれるものであって、それ自体が目的であってはならないと思います。
クイーンのそばを一匹のウサギが走りぬけようとしています。今のAさんは、そんなウサギを捕まえようとしている狩人なのかもしれません。
はたしてそれが、彼女にとっても幸せなことなのか。よく考えてみましょう。
そして、捨てられることになるBさんの立場も、少しは考えてあげましょう。慰謝料を払えばすむ問題なのでしょうか。
以上ですべてのカードを読み終わりました。
今回示されたカードからはCさんとの「結婚」という結末は見えませんでした。それを今回の結論としてもいいのですが、実際に結婚するかどうかはあくまでAさん自身が決めることです。彼女との結婚を望むのであれば、その通りに行動するのは自由です。
しかし、それよりも、カードが示そうとしていたのはもっと大切なことなのではないでしょうか。カードをよく見ながら、その意味を読み取ってみてください。
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