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「・・・この鉄格子を壊しなさい」
リョウ達の戦いを牢屋の近くから見守っていたマーシャの耳に、優しい女性の声が聞こえた。
マーシャは声の方へ振り返る。
そこには先ほどまでリョウを威嚇していた大きなエメラルドのドラゴンが何かを訴えるように優しいエメラルドの瞳でマーシャを見つめていた。
「・・・今の声は貴方?」
ドラゴンはゆっくりと頷く。
「貴方の魔法<チカラ>で鉄格子を破壊しなさい」
幼く小さなドラゴンもマーシャをじっと見つめている。
マーシャは少し考えていたが、ゆっくりと頷いた。
「大気に眠る刃よ、我が身に纏え」
親ドラゴンは鉄格子からゆっくりと離れた。
「エア・ブレイド」
空に掲げた左手から風で出来た刃が鉄格子に向かって進み、鉄格子には幾重にも風の刃で切れた筋が出来ていく。
そして、鉄の落ちる音が辺りに響いた。
その鉄格子は壊れ鉄の棒と化し、大きく開いた牢獄からドラゴンはゆっくりと歩み出る。
幼いドラゴンが歩み寄る中、ドラゴンはマーシャを見つめた。
「貴方はその魔法で村人達の牢獄を破壊するのです」
「貴方は?」
「私くしは・・・・」
ドラゴンは隣にあるドラン村の大人達がいる牢屋を見つめた。
そして、ゴブリンと闘っているリョウ達を見つめた。
「私くしは、彼らへ力を貸しましょう」
「クルルルル」
幼いドラゴンがドラゴンに擦り寄り、嬉しそうに鳴いた。
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