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ゴブリン達はその強腕で大きなハンマーをリョウ達に向かってたたき落とす。
ゴオオオオン!!
リョウ達が避けたゴブリン達のハンマーは大地に幾つもの大きな穴を作っていた。
「あのハンマーをどうにかしないと、近づけない」
リョウは剣を構えながらカズイに呟いた。
「こんな馬鹿力、見たことないぜ」
「ウェブを使って動きを封じようとしても、あいつ等の力で糸を容易く引きちぎっちゃうんだ」
再びゴブリンがハンマーをたたき落とした。
しかし、ハンマーはリョウ達に届くことが無く、突如現れた、エメラルドの宝石の様なドラゴンはキラキラと美しく輝く尾を振り上げ、ゴブリンのハンマーを払い退けた。
「ど、どらごん!?」
「子供が捕らわれていないのであれば、ゴブリンの命令など聞く必要もない」
ドラゴンは幼いドラゴンを優しく見つめた。
そして、ゴブリン達を鋭い瞳で睨み付けた。
「さぁ、どうしてあげましょうか?」
ゴブリン達は急にキーキーと耳障りな声で聞いた事の無い言葉を話す。
その瞬間、一斉にゴブリン達はハンマーを捨ててコボルト達の様に逃げ出した。
「あっ、ちょっと待てよ」
「無駄です。諦めなさい」
リョウは追いかけようと走り出すが、その声にふと足を止めた。
「ここでゴブリンを倒し剣に小さな刃こぼれを作ってしまうより、次へ余力を残す方が得策でしょう」
「ゴブリンを倒しても意味がないって事だろ?」
カズイは青い髪に付いた埃を落としながら、リョウへ近づいた。
「それよりも、人質の大人達を助けなきゃね」
ケイトのその言葉にリョウは剣を鞘にゆっくりと収めた。
「そうだな」
「ありがとうございました。旅のお方」
大勢の人の気配と、その落ち着いた男性の声にリョウ達はゆっくりと振り向いた。
そこには、マーシャに助けられたドラン村の大人達が、マーシャに連れられて来ていた。
「マーシャさんにだいたいの話は聞かせて頂きました。護り神が村に現れて我々を連れていこうとしたとき、
エメラルド色の瞳が曇り憂いに充ちていたため、何か理由があると思い子供達には何も言わず出てきてしまったのですが、
ゴブリンに子供を捕らわれていたなど・・・残酷な事をする」
男性はドラゴンへ近づき、エメラルド色をした美しい鱗を優しく撫でた。
「私達の子供は無事ですか?」
他の女性が心配そうに呟く。
その言葉にケイトは淡い緑色の瞳をにっこりと細めた。
「ドラン村の子供達は教会へ集めて教会自体に守護魔法をかけてあるよ。だから、早く逢いに行ってあげて」
この言葉にドラン村の大人達はリョウ達へ頭を下げながら、それぞれ洞窟の出口へ向かって足早に歩き出した。
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