□ scene9 □


洞窟は奥へ進むにつれ、広さを増していった。
周りには岩の裂け目があり、幾つもの洞窟へ分岐している。
「クルルルル」
「ドラゴンの鳴き声がするわ」
マーシャはその声の方角へ走り始めた。
幾つかの岩の角を曲がると、小さなドラゴンが岩で出来た牢獄に向かって必死に鳴いている。
その姿を見つけたマーシャは驚きのあまり足を止めた。
「どうした?マーシャ・・・」
リョウ達もその姿に立ちつくす。
小さく幼いエメラルドのドラゴンの奥には、硬く鉄格子に阻まれた巨大なエメラルドのドラゴンがいた。
巨大なドラゴンはリョウ達の姿を見つけ、幼いドラゴンと同じエメラルドの瞳で睨み付ける。
「やっぱり、この子の親だったのね」
そして、その隣の牢獄には人間達が小さく踞っていた。
「・・・見つけた」
その時、リョウ達は背後に複数の気配を感じ、咄嗟に剣の柄を握りながら振り向く。
そこには何十匹のコボルト達と、コボルトよりも少し大きく武装をしたゴブリン達。
「ニ、人間タチガどらごんヲ連レテキタノカ?」
ゴブリンが醜い笑みを浮かべながら大きなハンマー肩に掛ける。
「お前達がドラゴンを操って、ドラン村の大人達を連れていったんだな」
「ニ、ニ逃ゲタト思ッテイタどらごんガ帰ッテクルナンテ」
ゴブリン達のどもった様な声と荒い鼻息が辺りに響く。
「全然、俺達の話を聞いていないな」
リョウは溜息混じりに呟いた。
「コ、コ、ココヘ来タ人間達ハ逃ガサナイ」
「やっぱり、そういう事になるんだ」
ケイトは杖を握りなおしながら呟いた。
「イ、イイ行ケェ!!こぼると共!!」
その声に奇声をあげながら何十匹もいるコボルト達は短剣を握りしめ一斉に襲いかかる。

「白き気高き氷の子供達よ、我が指先に宿りて刃と化せ」

ケイトは襲いかかるコボルト達を見つめながら、杖を振り上げた。
杖はの周りに白い冷気が集まり始める。
そして、コボルト達に向かって杖を振りかぶった。

「アイス・ニードル!!」

杖の先から鋭い氷の柱が刃の様にコボルト達に襲いかかる。
無惨にも氷の柱に撃ち抜かれ倒れていくコボルト達、金貨に変わる姿を見ていた残りのコボルト達は悲鳴の様な声を上げながら、散り散りに逃げていく。
「こ、こここぼると共メ!」
残ったゴブリン達は手に持った大きなハンマーを振り回した。
「オ、オオ俺達ごぶりん達ノ力ヲ見セテヤル」
その声にゴブリン達はリョウ達に襲いかかる。
リョウは剣を鞘から抜き、襲いかかるゴブリン達を斬りかかった。

 

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