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次の日、町中から薬草をかき集め、リョウ、カズイ、ケイトの3人はリップル山脈を目指して歩き出した。
木々は次第に深くなり、大地も傾斜度を高くしていった。
それから緑が生い茂る道を暫く進むと、獣道の様な細い道から一変して小さな広場の様な場所が現れた。
そこには褐色の大地と大きな岩が先を阻むようにむき出している。
「・・・とりあえず、ここで一度休憩しないか」
リョウがその言葉を口にした瞬間、何かの雄叫びが辺りに響き渡った。
「・・・この近くだ」
リョウとカズイは剣を片手に、声のある方へ走り出す。
その後を追うようにケイトも走り出した。
「大気に眠る刃<ヤイバ>よ、我が身に纏え」
女性の響く声にリョウは足を止めた。
リョウの直ぐ側には、岩を背にした燃える様な赤い髪の女性が10匹のコボルト群に囲まれていた。
女性は瞳を硬く閉じていたが、スッと瞳を開いた。
「エア・ブレイド」
女性は左手をスッと伸ばす。
すると、コボルト達の体に幾重もの傷が出来、そこから血が流れ出した。
コボルトは大きな雄叫びを上げながら、手に持っている小さな短剣を振り上げた。
「キンッ!!」
金属と金属のぶつかり合う音が辺りに響く。
硬く瞳を閉じていた女性はゆっくりと瞳を開く。
そこには、剣を持ってコボルト達に応戦するリョウ達の姿があった。
「あ・・あなた達は?」
赤い髪と同じ燃えるような色の瞳を大きく開き、女性が呟いた。
「女性が一人コボルトに襲われている姿を見つけてね」
カズイが女性に背中を見せ、コボルト達と闘いながら答える。
そして、目の前のコボルトの短剣をはじき飛ばし斬りつけた。
半数を失ったコボルト達は何かを叫びながら、散り散りに逃げて行く。
「カズイ、ケイト無事か?」
リョウは横目で二人の無事な姿を確かめながら、剣を鞘に収める。
そして、女性に向かって紫色の瞳を細めにっこりと微笑んだ。
「え・・・っと」
「マーシャです。助けていただいてありがとうございます」
マーシャと名乗った女性は赤い瞳を嬉しそうに細めた。
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