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「どうしてこんな所に一人でいるの?」
ケイトが不思議そうに呟く。
「私、一人じゃ無いんです」
そう言うと、マーシャは背後にある大きな岩に向かって優しく話しかけた。
「もう、出てきても大丈夫よ」
暫くすると、ゴソゴソと音がして岩の上に何かが姿を現した。
「!!ド、ドラゴン??」
リョウが驚きのあまり叫ぶ。
「まだ生まれたばかり子供なんですが・・・」
岩の上に姿を現したドラゴンは50cmほどの小さな体をしていた。
一見、爬虫類の様な体は後ろの二本足で立ち上がり、子供らしく大きな緑色の瞳でじっと様子を伺っている。
鱗はエメラルドの様に美しい輝きを放っていた。
「おいで」
マーシャが手招きをすると、ドラゴンは岩を降りてマーシャの足下に近づく。
そして、歩き始めた子供の様に足にしがみついた。
「なんで、こんな小さなドラゴンが・・・?」
「それが、私も良く分からないの。この近くを一人で散策していたら、コボルト達に追いかけられていたこの子を見つけて、
コボルトを追い払ったの。そうしたら、私の後を付いて来るようになって・・・」
マーシャはドラゴンを抱き上げながら話を続けた。
「多分、親とはぐれてしまったと思うのね。だから、一緒に捜す事にしたの。それからは、この子が思う方向へ歩いてきたのだけど・・・」
「それで、またコボルトに襲われた訳だ」
リョウの言葉にマーシャはゆっくりと頷いた。
「あなた達は?」
「近くのドラン村で大人達がドラゴンに連れて行かれたって事を聞いて・・・!」
その時、今までマーシャの腕の中で様子を伺っていたドラゴンは、急に身を乗り出してリョウの体へ移動した。
そして、リョウに向かって切なく小さな声で鳴く。
「・・・ドランの護り神はこの子の親だったりして」
ケイトの呟きに、リョウとカズイが頷く。
「今、俺もそう思った」
「あぁ」
リョウはマーシャに向かい呟いた。
「俺達と一緒に行かないか?多分行き着く所は同じ場所じゃないかと思うんだ」
マーシャは少し考えていたが、にっこりと微笑みながら頷いた。
「よろしく。私は僧侶よ。攻撃にはあまり参加出来ないけどあなた達の怪我なら直してみせるわ」
「クルルルル」
リョウの肩の上に乗っていたドラゴンは嬉しそうにノドを鳴らした。
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