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少し前を歩いていたドラゴンがある場所で立ち止まった。
そして、体と同じエメラルドの様な宝石の瞳でその場所をじっと見つめている。
「・・・この洞窟?」
マーシャがドラゴンに近づき、そっと頭を撫でた。
じっと見つめ続けるドラゴンの瞳の先には、岩場の間に大きく口を開けた洞窟があった。
「さて。何が出てくるか、だな」
リョウは腰に差しているロングソードの柄を握りしめた。
と、その時、じっと見つめていた幼い体をしたドラゴンが洞窟へ向かって走っていく。
「待って!!」
マーシャが追いかけ、後を追うようにリョウ、カズイ、そしてケイトが洞窟の中へ飛び込んだ。
洞窟の中へ入ると、そこは広く静まり返っていた。
「広い洞窟だなぁ・・・」
ケイトが辺りを見回しながら呟いた。
遠くの方で水滴が天井からポツッと落ちる音が反響している。
「あのドラゴンは何処へ行ったんだ?」
「とりあえず、奥に行ってみようぜ」
「ちょっと、待って」
少し離れていたマーシャが水滴が落ちる岩場の裂け目を見つめている。
そして、ゆっくりと裂け目の方を指差した。
リョウ達も近づき、指差した方角を見つめる。
「・・・何だ?あいつら」
岩場の裂け目にの先には小さな広場があり、そこに飲んだくれ酔っぱらっているコボルト達がいた。
「さっきの奴ら?」
「多分な」
「こんな入口にいるって事は門番のはずなのに、酔っぱらって寝ちゃっているわ」
「じゃあ、もうちょっと深く眠って貰っちゃおうか」
ケイトは淡い緑の瞳をにっこりと細め、ゆっくりと呟き始めた。
「魔詩<マガウタ>よ。安らぎと眠りへ誘え・・・スリープ」
右手の親指を人差し指で弾く。
「はい、お休みなさい」
ケイトは小さく呟くと、リョウ達に再び微笑んだ。
「さぁ、先に行こうか」
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