□ scene2 □


その夜、ユリアスは占いを行う部屋で椅子に座り目の前にある小さなクリスタルを手で触れていた。
何十本もあるローソクの光でユリアスの頬はオレンジ色に染まっている。
夜8時に店を閉めて以来、黒いマント様な衣装を着たまま座り続け約2時間が過ぎようとしている。

「本当に来るのでしょうか?」
シキは紅茶とマフィンが乗ったトレイを両手で持ちユリアスの前に置く。
「・・・きっと」
と、その時、全てのローソクの炎が一瞬揺らぎ何もない所から少女が姿を現した。
背中には真っ白な翼が見える。
「君は誰?何故僕たちの前に姿を現すの?」
ローソクの炎が少女の金色の髪に反射する。
少女は静かに瞳を閉じていたが、ゆっくりと開き話を始めた。

「私は・・・私は一度しにました。しかし・・・今は動いています」

少女は自分の両手を見つめる。
「私の体の一部から同じに造られた。偽りの体で・・・」
少女はユリアスを見つめ再び何か言おうとするが、急に苦しそうに右胸を押さえうずくまる。
「大丈夫ですか?」
ユリアスとシキが少女に近づこうとした瞬間、少女の髪が舞い上がり再び違う空間へ引き込まれていく。
「兄を助けてください。「私エンジェル」という束縛から助けてっっ」
髪が前よりも強く舞い上がり少女は姿を消した。
ユリアスは呆然と立ちつくす。

「・・・エンジェル」

 

-scene3-

-scene1-

-back-