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ユリアスは占いの部屋の椅子に座る。
そして、テーブルの上にある大きなクリスタルに右手をかざし、左手は左耳に手をかけた。
「心だけ飛ばしてみるよ。その間体を見ていて」
「えぇ、もちろんです」
ユリアスは笑みを浮かべながら瞳を閉じた。
次第に耳へ音声が聞こえ、頭にビジョンが浮かび上がる。
月明かりだけが照らす部屋の中に少女と若者がたたずむ。
「ここも離れなければならなくなった。あいつらが見いだしたようだ」
若者、ナイト・オーティスは窓から見えるはずのないユリアスのいる場所を見つめる。
「エンジェル・・・少し下がっていなさい。危ないから」
「兄さん・・・何を」
エンジェルの言葉が終わる間もなくナイトはユリアスに向かい手をかざす。
その瞬間、ユリアスは体に鋭い衝撃を浴び、元の体へと戻されていった。
「ユリアス! ユリアス!」
ユリアスは呼び声に答えるかのようにゆっくりと瞳を開く。正面にはシキの心配した顔が見える。
「ナイト・オーティスさんに強制的に戻されたんだ」
見ると体中切り傷があり、血が流れている。
シキはユリアスの傷口に手をかざす。
すると、傷口は血の流れを止め傷口を塞いでいった。
「ありがとう。シキ」
ユリアスはシキに支えられながら立ち上がった。
「ナイト・オーティスさん達は何かに怯えていた。2年前から姿を消していたのもそのためなのかも知れない・・・強い力を持つのも」
「それでも逢いに行かれるのですね」
「居場所も分かったからね。攻撃的なところをなんとかしてあげないと」
「あれは、私を守るための力です」
ユリアス、シキ以外の第3者からの声が聞こえ、二人は声のする方へ振り返る。
そこにはエンジェル・オーティスが白い翼を羽ばたかせながらたたずんでいた。
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