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夕暮れの公園。
人壁の少ない公園のほぼ中央にある噴水の縁に少年は座っている。
うつむいた姿のまま少年は苦しそうに呟いた。
「自分を取り巻く物も全て消えてしまえばいい。自分も全て何もかも」
「まだ、名前も聞いていないから、何て呼べばいいのかも分からないよ」
少年はその声の方へ振り向いた。
「初めましての方が良いよね。僕の名前は「ユリアス・オーブ・アドリエス」よろしく」
そこにはにっこりと微笑み、握手を求めるユリアスの姿と、笑みを浮かべるシキの姿があった。
少年はキッと睨み付けると、ユリアスの手を振り払う。
「きっとお前達もこの目が目当てなんだろう?!こんな魔物の様な目がっっ」
ユリアスを睨み続ける少年の瞳は、アメジストとエメラルドグリーンの異なる色の瞳をしていた。
「そんなに綺麗な瞳なのに魔物だなんて」
「綺麗?この目の性で」
シキは少年の言葉を遮るように話し出した。
「私達の国では、紫の瞳は未知を司る導師。緑の瞳は静寂を司る薬師と言われています。そして私達もあなたのように左右異なる瞳を持つ者が多いのですよ」
少年はユリアスとシキの瞳を見つめた。
ユリアスはにっこりと笑みを浮かべる。
「僕は「ユリアス・オーブ・アドリエス」です。彼は「シキ・クランドル」だよ。初めまして、よろしくね」
少年はユリアスの差し出した手にゆっくりと右手を差し出した。
「弘貴・・・宮川弘貴」
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