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「シキって奴が言っていた事は本当なのか?」
館の中の一部屋でテーブルを囲んで座っていた弘貴は、正面に座っているユリアスに向かって話しかけた。
「え? あ、瞳の色の事だね。本当だよ。僕たちの国では左右異色は特別でもない。まして、魔物でもないしね」
ユリアスはにっこりと微笑む。
「むしろ、左右異色の方が良い場合もあるんだ。シキが言っていたみたいに瞳の色によって司る力も異なってくるから。
僕の左の瞳は紫色をしているよね。紫は未知を司る導師・・・未来を知る力があるんだ。だから導く者。現に仕事も占い師だしね」
そう言いながらユリアスは自分の左目に左手を置く。
「黒い瞳には何も力を宿していない。だから僕の左目は力の源なんだ」
「シキの瞳は青と緑だった。緑は静寂を司る薬師って言っていたよな。青色は?」
「青い瞳は精神を司る縛師ですよ、弘貴」
そう言いながら、シキはトレイを運んでくる。
トレイにはティーポットやプランスパンのサンドイッチなどが乗っている。
「他には創造を司る赤い瞳の創師がいます・・・そして、銀の瞳を持つ世界を司る者」
「シキ、弘貴もここに一緒にいてもいいよね」
「ユリアス、それは・・・」
シキはユリアスの言葉に慌てたように応えたが、ユリアスの瞳を見つめ、暫くすると瞳を伏せながらゆっくりと応えた。
「えぇ、そうですね。その方が良いかも知れません」
ユリアスは嬉しそうに弘貴に向かって笑みを浮かべた。
「当分、ここで自由にしてて。ここにいれば弘貴の瞳も目立つことが無いしね」
「・・・本当に?」
「もちろん」
弘貴は嬉しそうに瞳を細めた。
そして、弘貴は占い師ユリアスのアシスタントとして占いの館-GOD EYES-の手伝いを始めた。
何日かの日々が通り過ぎる。
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