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「シキ、前に言っていたよな。シキ達の国の話。俺もその国に行きたいよ。そうすれば今までのような事が無い」
占いの館-GOD EYES-の一部の雑貨店にシキと弘貴は居た。
ユリアスは占いの最後の客と話をしている。
雑貨店の中は先ほどまでの雑踏は消え、蝋燭の明かりと微かなラベンダーの香りだけが漂っていた。
「・・・私達の国は今はありません・・・」
シキは苦しそうに瞳を伏せる。
「帰る事も出来ません」
弘貴はシキをじっと見つめる。
「前から不思議に思っていたんだけど、シキ達の国って何処にあるんだ?左右の色の違う瞳を持つ人種なんて、この地球中何処をさがしても無い・・・」
「あなた達人間から見たら、僕たちは本当に魔物かも知れない」
シキと弘貴が振り向く。占いのマントを脱ぎながら、ユリアスは話し続けた。
「僕たちは君と友達になりたかった。君の力になりたかった。それだけじゃダメかな?本当の姿を見ても弘貴は一緒に居てくれる?僕たちを正面から見つめてくれる?」
ユリアスは寂しそうに微笑む。
その瞳に触発され、弘貴の頭の中に昔の事が浮かび上がった。
不思議な力と不思議な瞳を見て恐怖する両親。
耳を塞いでも聞こえてくる言葉。
-------------アイツハ、バケモノダ-------------
「ごめん・・・ごめん。俺・・・傷つけるつもりじゃ・・・」
弘貴はうつむきながら館を飛び出していった。
シキは弘貴の出ていった扉を見つめ続ける。そして、ユリアスの耳元に囁いた。
「ユリアス、もう限界かもしれません」
「僕・・・弘貴を捜してくる」
ユリアスも弘貴を追うようにマントをシキに押しつけ走り出した。
「ユリアスっっ」
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