□ scene7 □


「わぁ、可愛い子猫」

八月の夏空の下、公園の芝の上で少年達が集まっていた。
「頂戴っっ弘貴」
弘貴は眩しそうに雲一つない空を見つめている。
「駄目だ。こいつらはあの二人の唯一の接点だからな」
弘貴の周りでじゃれる二匹の黒い子猫の一匹を少女が拾い上げる。
「綺麗な瞳ねぇ。ねぇ、名前は?名前は何て言うの?」
弘貴は芝に寝ころびながら、緑と紫の瞳を持つ一匹の子猫を抱き上げる。
「こいつがユリアス。お前が持っている青と緑の瞳の方がシキだよ」
「シキ?変わった名前・・・あ、分かった。この人の名前を取ったのね」
そう言いながら、少女は鞄の中から雑誌を取り出し、あるページを開いた。
それを横目で見ていた弘貴が起き上がり、少女の雑誌を取り上げた。
「・・・・シキ」
そこには一枚の写真が載っていた。
「綺麗な瞳でしょう。青と緑の瞳でこの子猫みたいでしょう。その人の名前をとったんじゃないの?」
「俺の恩人の名前だよ・・・やっと見つけた・・・」
その時、二匹の子猫がじゃれ合いながら公園から路上へ走り出す。
「あれ?あいつらは?
「変ね。今まで・・・・あ!あそこっっ!!」
公園から見える路上で子猫たちは夢中にじゃれ合っていた。
その道の先には自動車が近づいているのが見える。
「ユリアスっ、シキっっ」
弘貴は子猫たちに向かって走り出した。
自動車の急ブレーキの音。
何かがぶつかる大きな音。
人々の悲鳴。

そして・・・子猫たちの鳴き声。

 

-epilogue-

-scene6-

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