□ scene4 □


「皆に集まって貰ったのは他でもない。氷の動きについてだ」
王宮の中の一室に数人の人々が集められていた。
そこにはシキの姿もある。
白い壁には所々、王族のみが使用できる銀色の模様が優しい光を放っている。
部屋の中心に数人が一度に座れるテーブルが並べられてあり、そこ奥には一人の男が格段に立派な椅子に腰を掛けていた。
その男、現王ユリアス・カーツ・アドリエス。他の人々を緑と王者だけの銀の瞳で見回した。
王の座る椅子の後ろには、ルイ・クランドルが王を守るかのように控えている。
「ルイ、調査の結果を」
「御意」
ルイはユリアス王に向かい頭を下げ、人々に向かうとゆっくりと話し始めた。
「王宮より北北西、アルガの地域で異変は起き始めています。少しずつですが確実に。 シールドが弱まっているのかは分かりかねますが、氷の力があの地域だけ強い。これは、早急に対処すべき事かと思われます」
「確かに・・・ルイ殿の言われる通りだ」
椅子に座る男性の中の一人が、ゆっくりと立ち上がる。
長い髪が揺れる。そして、閉じていた瞳を開く。
その瞳は双眸共に朱色をしていた。
その男性は再び話を続けた。
「私達、創師のそのことは気づいていた。アルガ地域はそのための策を何度かは打った・・・しかし・・・」

「それ以上に氷は力を増している」

創師は第三者の声に驚き振り向いた。
他の人々も、また、同じ場所に座るシキも振り向く。
そこには15歳ぐらいの青年が佇んでいた。
その笑みを浮かべる瞳は、紫と王だけが持つ銀色の瞳を持っていた。
そして、ゆっくりと王ユリアスへ近づき、頭を下げる。
「父上、お呼びですか?」
王はその青年の姿を見て呟いた。
「ルシェルランス」
王はゆっくりと微笑み話を続けた。
「お前に紹介したい人物がいる。ルイ、頼むぞ」
ルイはにっこりと微笑みながらうなずいた。
「・・・シキ、おいで」
周りの人々のざわめきの中、シキはルイの呼ばれるままに近づく。
「・・・ルイ兄さん?」
「ルシェルランス様。わたくしの弟「シキ・クランドル」です。これからはシキがあなたの手足となり、頭脳となり、兄となり、そして友となります」
シキは驚いた表情でルイを見つめた。
「・・・兄さん・・・?」
「シキ・クランドル。お前の兄は私によく尽くしてくれている。ユリアスの名を継ぎ、次代の王になるルシェルランスを見守ってくれ・・・頼むぞ」
「・・・王ユリアス」
ルシェルランスと呼ばれた若い次代の王は、シキに向かってにっこりと微笑み握手を求めた。
「ルシェルランス・オーブ・アドリエス・・・ルシェルとみんなから呼ばれている」
シキはルシェルランスの差し出された胸の前で支え頭を下げた。
「よろしくお願い致します。ルシェルランス様」
シキはルシェルランスを見つめ、にっこりと微笑んだ。
そうして・・・三年の月日が流れていった。

 

-scene5-

-scene3-

-back-